2004 Fiscal Year Annual Research Report
無脊椎動物横絞筋の巨大サルコメアを維持する弾性タンパク質
Project/Area Number |
13440248
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Research Institution | CHIBA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木村 澄子 千葉大学, 理学部, 助教授 (50093232)
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Keywords | I-コネクチン / 巨大サルコメア / 弾性タンパク質 / PEVK / 斜紋筋 / タイチン / 横紋筋 / 無脊椎動物 |
Research Abstract |
無脊椎動物に存在する巨大サルコメアの横紋構造が,どのようにして維持されているかに関して,弾性を持つ構造タンパク質を中心に研究をおこなった。 これまでの研究で,ザリガニ閉筋巨大サルコメアに存在するI-コネクチンの全一次構造を決定し,脊椎動物と同様な配列を持つと共に新規配列を持ち,この新規配列が非常に伸びやすいことを明らかにした。 さらに本年度は,I-コネクチンPEVK領域の融合タンパク質を調製し,分子間力顕微鏡を用いてその張力を測定した。その結果,得られたPEVK領域の持続長はヒトのコネクチンPEVK領域の値(1.45nm)より大きい3.07nmになり、I-コネクチンの弾性特性は脊椎動物コネクチンと異なることがわかった。 一方で,I-コネクチンはZ線からA-Iジャンクションに局在し,太いフィラメントとの結合領域が小さいことから,I-コネクチンのみでは巨大サルコメアを維持しにくい,と考え,A帯領域に存在する他のタンパク質と結合して,脊椎動物コネクチン一分子の役割を担っているのではないかと仮定した。そこで,A帯に存在して一次構造が脊椎動物コネクチンのC端側半分と似ているプロジェクチンの全一次構造を決定後,融合タンパク質を作製し,プロジェクチンとの結合実験をおこなったが、両者の結合は観察されなかった。 また,軟体動物であるイカの斜紋筋や二枚貝の平滑筋を,SDS-PAGEとコネクチン抗体との反応性で調べ,高分子量のコネクチン様タンパク質が存在することを示した。しかし,これらのタンパク質の分子量と抗体の反応性は一様ではなく,それぞれの筋肉に特有な,多様な高分子量のコネクチン様タンパク質が存在することがわかった。
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Research Products
(3 results)