2003 Fiscal Year Annual Research Report
分子系統樹に基づく頭索動物亜門(ナメクジウオ類)の形質進化の解明
Project/Area Number |
13440253
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西川 輝昭 名古屋大学, 博物館, 教授 (50126885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 睦 東京大学, 海洋研究所, 教授 (90136896)
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Keywords | ナメクジウオ / Branchiostoma / Epigonichthys / ミトコンドリアDNA / 隠蔽種 / 系統 / 形質進化 |
Research Abstract |
(1)標本の現地採集:4月に、オーストラリア南東部のポートフィリップ湾と東部のモートン湾において、船を雇ってドレッヂを行った。その結果、Epigonichthys bassanusとBranchiostoma moretonensisを、それぞれ相当数採集することができた。 (2)交換による海外からの標本入手:ガラパゴス諸島産のBaranchiostoma elongatumを入手した。 (3)昨年度に入手した資料で未解析で残されていたものの大部分および上記資料の一部について、ミトコンドリアDNA (mtDNA)の全塩基配列を決定することができた。 (4)JAMSTEC(日本海洋科学技術センター)から、日本近海の深海底で採集された標本の提供をうけ、形態・分子の両面から研究を進めている。 (5)本年度に得られた成果は、以下のとおりである: (a)形態的にオナガナメクジウオEpigonichthys lucayanusと同定できる全世界の浅海個体群が、mtDNAの塩基配列において明瞭に異なる2群を含むことがわかった。ひとつは、インド洋と西太平洋にのみ生息し、もうひとつは、西太平洋と大西洋に棲息する。日本やオーストラリア東岸では両者が共存することから、これら2群は別種として認識されるべきものであり、いわゆる隠蔽種が発見されたことになる。 (b)JAMSTEC標本はオナガナメクジウオと形態的に類似するが、その浅海個体群とは、筋数数およびmtDNAの塩基配列の差違が著しいことが判明した。明らかな新種と考えられる。 これらの成果の一部はすでに、日本動物学会発行の国際誌に掲載され(裏面11参照)、また日本動物学会第74回大会において、西川輝昭・野原正広・昆健志・西田睦の連名で口頭発表された。論文執筆作業も進んでいる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Nohara, M., Nishida, M., Mantha-citra, V., Nishikawa, T.: "Ancient phylogenetic separation between Pacific and Atlantic cephalochordates as revealed by mitochondrial genome analysis"Zoological Science. 21・2. 203-210 (2004)