2002 Fiscal Year Annual Research Report
高品質無転位ゲルマニウムシリコン固溶体バルク単結晶の育成と基礎物性の解明
Project/Area Number |
13450001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
米永 一郎 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20134041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 太輔 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20154396)
後藤 孝 東北大学, 教授 (60125549)
阿部 孝夫 信越半導体, 半導体研究所, 研究主幹
櫻井 雅樹 東北大学, 助手 (80235225)
明石 孝也 東北大学, 助手 (20312647)
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Keywords | ゲルマニウムシリコン / 固溶体 / 単結晶育成 / 基礎物性 / XAFS構造解析 / 不純物 |
Research Abstract |
ゲルマニウムシリコンはGeとSiの間で組成によってバンドギャップと格子定数を任意に制御できる全率固溶体である。本研究の目的はその広範な応用へ向けて、良質のバルク単結晶を用いた物理過程の基礎的解明であり、高品質・低転位密度、無転位GeSi単結晶の育成と基礎知識の確立、育成GeSi単結晶の物性と構造の解明、転位欠陥の発生と運動及び抑制、熱電変換特性の解明、さらに各種の機能性素子としてのフュージビリティスタディーを行う。本年度は特に各種の高品質結晶の育成を主とし、次の成果を得た。 1.チョクラルスキー法により0.73から1までの組成xで、直径30mm、長さ100mmのGe_<1-x>Si_x結晶を育成した。特に、これまで一つの限界とされていたSi組成が0.80以下の結晶について、るつぼ材の改良により世界ではじめて育成に成功した。またGeSiにおける不純物効果を解明するためSn、C、Fe、Bi、Ni等の不純物を最大濃度10^<20>cm^<-3>まで添加した結晶を育成した。 2.育成した結晶の欠陥構造をX線回折顕微鏡法によって調べ、Ge_<0.1>Si_<0.9>の結晶では転位が結晶の外周部のみに限定的に存在すること、それが転位の運動が抑制されるためであることを明らかにした。 3.各種組成の結晶の原子構造をXFASおよび電子顕微鏡によるエネルギー損失スペクトル法により調べ、4配位数の完全なランダム配置であること、Ge-Ge、Si-Ge、Si-Siの各原子間の結合距離は異なり、組成に対して線形に変化する不完全Pauling型構造であることを実験的に明らかにし、さらに第一原理計算からもGe-Ge、Si-Ge、Si-Siの各原子間の結合距離の組成に対する依存性が良好に再現された。 4.育成結晶を赤外吸収分光法によって調べ、最大濃度10^<18>cm^<-3>の不純物酸素が固溶し、その酸素はSi-Si結合の原子間位置に優先的にそんざいすることを見出した。それが、SiとOの結合力がGeとOの結合力に比べて遥かに強いためであることを明らかにした。また、酸素を含まない結晶の育成法を開発した。 5.各種不純物を添加した結晶の熱伝導率、熱電能、電気伝導度、ホール移動度等を800℃まで測定し、組成と温度、不純物の種類と濃度の関数として定量化した。それに基づいて、エピタキシャル成長装置の精密温度制御を目的としたペルチェ熱電変換素子としての実用化に向けた検討に着手した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] I.Yonenaga: "Growth and fundamental properties of GeSi bulk crystals"IEEE Semiconducting and Insulating materials Conference XII-2002 Proceedings. (in press). (2003)
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[Publications] P.J.C.King, R.L.Lichti, I.Yonenaga: "Muonium behaviour in Czochralski grown Si1-xGex alloys"Physica B. 326. 171-174 (2003)
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[Publications] I.Yonenaga, T.Taishi, X.Hunag, K.Hoshikawa: "Dymanic characteristics of dislocations in Ge-doped and (Ge+B) codoped silicon"Journal of Applied Physics. 93・1. 265-269 (2003)
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[Publications] I.Yonenaga: "Impurity effects on dislocation activities in Si"Journal of Physics : Condensed Matter. 14・48. 13179-13183 (2002)
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[Publications] I.Yonenaga, M.Sakurai, M.H.F.Sluiter, Y.Kawazoe: "Lacal atomic structure in Czochralski-grown Ge1-xSix bulk alloys"Applied Surface Science. (in Press). (2003)
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[Publications] I.Yonenaga, M.Sakurai: "Local structure around Si atoms in GeSi alloy semiconductors"Photon Factory Activity Report 2001. 19. 176-176 (2002)