2001 Fiscal Year Annual Research Report
(InGa)N薄膜PLD成長におけるアブレーション粒子エネルギー最適化の研究
Project/Area Number |
13450013
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 猛 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (80153617)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 龍彦 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (40238530)
牧 哲朗 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (80273605)
|
Keywords | GaN / PLD / レーザーアブレーション / 薄膜 / エピタキシー / 半導体レーザー |
Research Abstract |
本研究課題のもとに(青色(8160)16紫外)発光用の窒素化合物半導体薄膜(InGa)Nのレーザーアブレーションに関する基礎的な知見が相当量の大きさで得られたことを始めに述べておく。 レーザーアブレーションにより成長用粒子が光子エネルギーを吸収、断熱膨張を介して大きなドリフト速度をもつことが知られている。このエネルギーは半導体薄膜成長に対してプラスにもマイナスにも働きかける可能性があるために、その最適調整が重要となる。 超高速フレーミング・ストリークカメラ観察技術を導入して粒子のダイナミックスを直接測定することから始めた。Ga粒子は実に29eVの大きさのドリフトエネルギーをもつことが分かった。この値はGaN半導体に格子損傷を与える32eVに近いために、過度の作用がなされてダメージが導入されていることが判明した。この解決に2つの方策を講じることが可能である。すなわち(1)アブレーション粒子の進行方向を薄膜表面に対してオブリークにする、(2)チャンバー内部の窒素雰囲気圧を上昇させて、散乱によりエネルギー低減を図る、などである。 前者について検討を始めた。斜め40度のアブレーション粒子入射を行うと、薄膜表面に与える垂直衝撃エネルギーが19eVと低減できる。これにより実際に薄膜成長を行い、フォトルミネセンスによる発光特性の測定を行った。その結果、バンドエッジ・エミッションが大幅に増大して薄膜の結晶性改質に大きな成果を見ることができた。入射角度を各種変えながらデータを取る必要があると考えられるが、現有設備の関係から限度があるために、今期の研究はこの段階で終えている。 後者の雰囲気ガス散乱を利用したアブレーション粒子のソフトランディングに関する測定も始めた。効果は十分にあることが判りつつあるが、粒子エネルギーを下げすぎると、逆に結晶の品質が低下してしまうことが問題として浮上している。アブレーション粒子のエネルギーには最適幅が存在することの証拠でもある。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] M.Kiso, K.Mizuno, T.Kobayashi: "Laser ablation of molten Ga Target ; comparison of experiments and simulation"Appl. Phys.. (2002)
-
[Publications] T.Kobayashi, M.Tachiki, H.Akiyoshi: "Development of Prominent PLD(Aurora method) Suitable for High-quality and Low-temperature Film Growth(Invited)"6th Int. Conf. on Laser Ablation. 6. 1-3 (2001)
-
[Publications] K.Mizuno, J.Suzuki, T.Maki, T.Kobayashi: "Brilliant Photoluminescence from GaN Film grown by PLD under Particle-Energy-Manipulation"6th Int. Conf. on Laser Ablation. 6. PT-43 (2001)
-
[Publications] X.Fang, T.Kobayashi: "Characterization of SrRuO3 thin film grown by laser ablation at temperatures above 400C"J. Appl. Phys.. 90, 1. 162-166 (2001)