2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450021
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
一宮 彪彦 名古屋大学, 工学部研究科, 教授 (00023292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 貴志 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (70314044)
中原 仁 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (20293649)
秋本 晃一 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (40262852)
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Keywords | シリコン / ナノ構造 / ステップダイナミックス / 走査トンネル顕微鏡 / シリコン表面 |
Research Abstract |
本研究では、高温走査トンネル顕微鏡(HT-STM)の探針を用いてSi(111)およびSi(001)表面にナノメートルサイズのシリコンピラミッド形成し、その緩和過程から表面におけるステップへの付着・脱離課程とシリコンナノ構造の緩和課程とナノ構造の安定性を調べた。 Si(111)表面においてはお互いに双晶の関係にある2種類のピラミッドが形成された。界面に積層欠陥を含まないピラミッド(U)と界面に積層欠陥を含むピラミッド(F)である。UとFピラミッドの形成確率は夫々75%および25%であり、これから積層欠陥の形成エネルギーが0.47eV/nm^2となり、理論による予想値に近い値を示した。また界面エネルギーによりFピラミッドの崩壊速度はUピラミッドのそれの3倍大きいことを明らかにした。 Uピラミッドの崩壊過程では下層のステップ端からの脱離は非常に遅く、これに対してFピラミッドでは各層から一様に脱離することを明らかにし、界面エネルギーによる効果で説明した。またUピラミッドの高さの変化は時間の1/4乗に比例することを明らかにし、これは理論的な予測とも一致することを示し、また2次元島の崩壊過程の定量的な結果とも一致することを明らかにし、一見複雑な崩壊過程を統計力学的に取扱うことが出来ることを示した。 Si(001)表面上のシリコンピラミッドについては高さの変化等はSi(111)で得られた結果と一致したがSi(001)表面の2量体結合によるステップ構造の異方性により崩壊においてピラミッド最下層の特定のステップ端へのシリコンの付着確率が高くなることを明らかにした。また2次元島の崩壊は島のスタイル次元の振動が観測され、その振動と島を構成する原子の数の振動との間に相関があることを明らかにした。また崩壊速度はSi(001)表面上の酸素吸着により大きく変化し、酸素吸着物が脱離原子に対するバリアとして働いていることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 一宮 彪彦: "Decay of silicon mounds : scaling laws and description with continuum step parameters"Applied Surface Science. 175・176. 33-35 (2001)
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[Publications] 一宮 彪彦: "Thermal relaxation of isolated silicon pyramids on the Si(100)2×1 surface"Surface Science. 493. 555-560 (2001)
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[Publications] 一宮 彪彦: "Structural analysis of 6H-Sic(0001) surface by RHEED rocking curves"Surface Science. 493. 246-252 (2001)
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[Publications] 一宮 彪彦: "Surface morphology of Ga adsorbed Si(113) surface"Surface Science. 493. 166-172 (2001)
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[Publications] 一宮 彪彦: "Formation of Three-Dimensional Silicon Mounds on the Si(111) 7×7 Surface Using the Tip of a Scanning Tunneling Microscope"Jpn.J.Appl.Phys.. 40. 5109-5115 (2001)