2001 Fiscal Year Annual Research Report
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13450023
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 卓也 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (50229556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀和 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (80294130)
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Keywords | 単一分子電気伝導度 / 走査トンネル顕微鏡 / 非接触原子間力顕微鏡 / DNA / フタロシアニン / 表面配位化学 / フェニルニトリル / 減衰係数 |
Research Abstract |
単一分子の電気伝導度測定を以下の二つのアプローチで行った。 1. 走査トンネル顕微鏡と非接触原子間力顕微鏡によるDNAの電気伝導と測定 DNA分子の直径方向の電気伝導性評価を行った。まず、表面におけるDNA分子の直径(基盤からの高さ)を求めた。DNAの水溶液中での自然な直径は2nmである。しかし、非接触原子間力顕微鏡の測定から表面上での高さは約0.8nmで、吸着力により扁平になっていることが解った。次に、走査トンネル顕微鏡を用いて、高さを測定すると、約0.6nmであった。これは、一般に有機分子は、電気伝導性に乏しいため、走査トンネル顕微鏡では、幾何学的高さよりも低く観測される。この高さの差異から、トンネル過程を仮定した減衰項の係数はβ=1.1となった。さらに、非接触原子間力顕微鏡測定と走査トンネル顕微鏡測定を同時に行うと、DNA鎖の幾何学的に高い部分で、トンネル電流が多く流れることから、局所的な電荷移動によるトンネル障壁低減や金属とDNAの気道混成の効果などは小さいことがわかった。 2. フタロシアニンテンプレートを用いた孤立直立フェニルニトリル分子の電気伝導度 フタロシアニン誘導体を表面に平面配列し、中心金属への軸配位によりフェニルニトリル分子を表面に垂直に立てて、電気伝導性を評価した。従来、自己組織化単分子膜をアイソレーションマトリックスとして、目的有機分子をこのマトリックス中に分散して測定する方法が行われてきた。しかし、この方法では、マトリックスからの伝導を除外することができない。本研究では、隣接するフェタロシアニンの中心金属間の距離は、およそ2.6nm離れているので、個々のフェニルニトリル分子は完全に孤立している。β=0.2(8160)160.4の値を得た。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yasushi Maeda, Hidehiro Nishijima, Seiji Akita, Takuya Matsumoto, Yoshikazu Nakayama, Tomoji Kawai: "Reduction of Long-range Interaction using Carbon Nanotube Probes in Biological Systems"Jpn. J. Appl. Phys.. 40. 1425-1428 (2001)
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[Publications] Yasuhisa Naitoh, Takuya Matsumoto, Kenichi Sugiura, Yoshiteru Sakata, Tomoji Kawai: "Self-assembled stripe structure of zinc-phthalocyanine on graphite surfaces"Surface Sci.. 487. L534-L540 (2001)
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[Publications] R.Akiyama, H.Tanaka, T.Matsumoto, T.Kawai: "Spin-polarized scanning tunneling microscopy on half-metallic manganite thin film with half-megallic manganite tip"Appl. Phys. Lett.. 79. 4378 (2001)
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[Publications] 松本卓也, 前田泰, 川合知二: "限界を超える「走査プローブ顕微鏡と分子スケールエレクトロニクス」"バウンダリー. 17. 8-16 (2001)