2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450023
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 卓也 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (50229556)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀和 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (80294130)
|
Keywords | 単一分子電気伝導度 / 走査トンネル顕微鏡 / 非接触原子間力顕微鏡 / DNA / フタロシアニン / 表面廃位化学 / フェニルニトリル / 減衰係数 |
Research Abstract |
点接触電流画像化原子間力顕微鏡法を新たに開発し、DNA、ナノチューブなどの電気伝導度の測定を行った。 1.点接触電流画像化原子間力顕微鏡の開発 ナノ物質の電気伝導度を測定するためには、絶縁体上に配置され、一部が電極に接続された系を走査する必要がある。このような系では、常に電流が必要な走査トンネル顕微鏡を用いることはできない。そこで、絶縁体でも走査可能な原子間力顕微鏡(AFM)をベースとした新しい測定方法の開発を行った。 本研究では分子ナノ物質を主題としているので、壊れやすい試料にダメージを与えず、高い分解能と充分な電気的接触を兼ね備えた方法が必要である。 タッピングモード測定と、ポイントコンタクト測定をダイナミックに組み合わせた、点接触電流画像化原子間力顕微鏡を開発して、この条件を実現した。 2.カーボンナノチューブバンドル内部の接合抵抗の測定 新たに開発した点接触電流画像化原子間力顕微鏡の機能を検証するために、バンドルした単層カーボンナノチューブの測定を行った。トポグラフと電流分布の同時測定に成功した。トポグラフでは高く画像化されるナノチューブの付着部分が、電流画像では暗く観察されることがわかり、バンドルしたナノチューブ間の接合抵抗の空間分布が明瞭に画像化されることがわかった。 本測定は2端子測定であるが、異なった多くの場所の電圧-電流測定を一挙に得ることができる。この特徴を生かして、試料内部にある抵抗の絶対値を知ることができる。実際、この方法で見積もったナノチューブ間の接合抵抗は、チップの負荷を変え、試料-チップの間の接触抵抗を含む全体の見かけの抵抗値が大きく変わっても、ほぼ一定値を示すことがわかった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Yoichi Otsuka, Yasuhisa Naitoh, Takuya Matsumoto, Tomoji Kawai: "A Nano tester : A new technique for nanoscale electrical characterization by point-contact current-imaging atomic force microscopy"Jpn.J.Appl.Phys.(2002). 41. L742-L744 (2002)
-
[Publications] Yoichi Otsuka, Yasuhisa Naitoh, Takuya Matsumoto, Tomoji Kawai: "Point-contact current-imaging atomic force microscopy : Measurement of contact resistance between single-walled carbon nanotubes"Appl.Phys.Lett.. 82 March issue (in press). (2003)
-
[Publications] 松本卓也, 前田泰, 内藤泰久, 川合知二: "DNAのナノスケール構造と電子状態"表面科学. 23. 178-185 (2002)
-
[Publications] 高木昭彦, 古川雅士, 田中裕行, 松本卓也, 川合知二: "有機分子/金属界面における電子状態のアライメント"表面科学. 23. 616-621 (2002)
-
[Publications] T.Matsumoto, T.Yokoyama, T.Kawai: "Chemistry of Nanomolecular systems-towards the realization of nanomolecular devices"Springer-Verlag. 107-121 (2002)
-
[Publications] 松本卓也: "化学フロンティア6「分子ナノテクノロジー」 SPMによるナノ物質の電気伝導度測定"化学同人. 53-64 (2002)