2002 Fiscal Year Annual Research Report
分極反転光素子をめざした強誘電ドメイン制御に関する研究
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13450031
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
栗村 直 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 主任研究員 (10287964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平等 拓範 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (50216595)
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Keywords | 擬似位相整合 / ニオブ酸リチウム / 核成長 / メイン / 分極反転 / 電界印加 / 波長変換 / QPM |
Research Abstract |
我々がニオブ酸リチウム(LN)系結晶で初めて実現した電界印加による分極反転制御技術は、その周期が微細になると共に、またそのデバイス長が長くなると共に、均一性、再現性などの問題が明らかになってきた。面内で反転過剰、反転不足の領域が混在する原因は核成長の不均一であり、核成長を選択的に誘起することで解決できる。我々は昨年度開発した選択的核成長法を詳細に調査し、電界印加条件と核成長密度の関係を定量的に評価した。また本手法を用いて波長変換デバイスを作製し、ドメインアスペクト比300をもつ緑色光発生デバイスを達成した。 電界印加による分極反転の均一性は核成長密度の高さで決まるが、従来は電界を印加した際に流れる電流をモニターして分極反転の終了時点を決定しているため主に分域壁の移動をモニターしていた。このため核成長が不均一に起こる場合には面内で反転過剰、反転不足の領域が混在し、特に短周期の分極反転ではこれが顕著であった。本年度は全電界印加時間を延長することによる核成長密度の増大を試みた。電界のパルス幅を最適化し、0.1s幅の時にはドメイン間の結合が生じず小面積ドメインを高密度で分布させられることがわかった。 成長密度の定量評価法を用いて電極構造およびパルス印加条件による核成長密度の定量比較を行った。短周期分極反転に十分な核成長密度の見通しが得られたため、周期6.6μmの分極反転を行った。ここでは従来、絶縁破壊およびドメイン間の結合が障害となっていた厚さ1mmの分極反転構造を試みた。厚さ1mmの基板を貫通する分極反転構造が得られ、ドメインのアスペクト比(深さ/幅)で300が得られた。これまでの報告では最高レベルのアスペクト比である。このデバイスにより、パルスNd : YAGレーザーの第二高調波発生実験を行ったところシングルパスで変換効率42%が得られた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nan Ei Yu, Jung Hoon Ro, Myoungsik Cha, S.KuriMura, 他: "Broadband quasi-phase-matched second-harmonic generation in MgO-doped periodically poled LiNbO3 at the communications band"OPTICS LETTERS. 27・12. 1046-1046 (2002)
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[Publications] 関秀一, 阿久津剛史, 丸山真幸, 中島啓幾, 栗村直, 北村健二: "LiNbO_3の分極反転における選択的核成長法"電子情報通信学会. QPE. 40-40 (2002)
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[Publications] 石月秀貴, 庄司一郎, 平等拓範, 栗村直, 他: "石月秀貴, 庄司一郎, 平等拓範, 栗村直 他"第63回応用物理学会学術講演会講演予稿集. 3. 1049-1049 (2002)
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[Publications] 丸山真幸, 関秀, 加藤祐嗣, 中島啓幾, 栗村直, 北村健二: "LiNbO3の分極反転における選択的核成長法V 短周期分極反転における核成長条件"第63回応用物理学会学術講演会講演予稿集. 3. 1051-1051 (2002)
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[Publications] 野村善行, ユ・ナンエイ, 栗村直, 北村健二, 他: "LiNbO3の分極反転における選択的核成長IV 核成長密度のパルス数依存性"第63回応用物理学会学術講演会講演予稿集. 3. 1051-1051 (2002)
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[Publications] 栗村直, 野村善行, 北村健二, 他: "強誘電ニオブ酸リチウムのドメイン制御における選択的核成長"第14回日本MRS学術シンポジウム. 210-210 (2002)