2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450037
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
大野 正弘 千葉工業大学, 工学部, 助教授 (20327159)
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Keywords | 位相共役 / 超音波画像 / 圧電 / 非線形 |
Research Abstract |
超音波の波面歪を補正し、より鮮明な画像を得るために、超音波の位相共役波を用いる提案がなされており、原理的な有効性は確認されている。本研究は、超音波位相共役鏡を含む超音波送受信系に共振器の機能を付与し、弁別度の高い超音波映像系を作成することを目標として行い、初年度に以下の成果を得た。 (1)各種PZTセラミックスの非線形圧電性の測定:共振を発現させるのためには位相共役波の発生強度を向上させる必要がある。このため現在生産されている数種類の圧電PZTセラミックスの非線形圧電性を、周波数10MHzの音場に対する電場-音速曲線の測定により求めた。その結果、いくつかの高Q材(富士セラミックスC2系列)において高い非線形性が認められた。 (2)ニオブ酸カリウム(KNbO_3)の非線形圧電性の測定:近年バルク単結晶が得られるようになったKNbO_3の非線形圧電性を、上記と同様の測定により求めた。その結果、KNbO_3はPZTセラミックスよりは小さく、LiNbO_3より大きい非線形性を持つことがわかった。これは、KNbO_3は10MHz程度の低周波域においてはPZTセラミックスほど有効な位相共役波発生媒質とはなり得ないことを意味する。しかし、音波吸収率はPZTセラミックスより小さいので、高周波域(およそ50MHz以上)においては有効な位相共役波発生媒質となる可能性はある。 以上の本研究の成果により、高強度位相共役波発生に適する圧電材料に関する知見が得られた。
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