2002 Fiscal Year Annual Research Report
応力負荷下でのアトミックスケール動的表面観察システムの開発
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13450043
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松室 昭仁 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80173889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 一雄 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (30262851)
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Keywords | 応力負荷条件下 / アトミックスケール / AFM視察 / 動的その場観察 / 観察装置開発 / 薄膜 / 破壊 / 亀裂制御 |
Research Abstract |
1.研究目的 薄膜の本質的特性を理解するためには、応力を負荷させた状態における挙動を理解することが重要である.しかも今後のナノマシンや材料科学にとって重要となる薄膜や微小構造体の破壊課程やそのメカニズム等を理解するためには、原子レベルでの表面性状の変化を評価する必要がある.しかし、これまで原子分解能を有し、且つ応力変化に対し連続的に表面を観察できた装置は存在しない.本研究ではオンチップ引張試験法とAFMを組み合わせ装置開発を第一とし、さらにナノスケールレベルのTiNやマイカ薄膜の亀裂進展に伴う観察から亀裂制御の指針を解明することを目的とした. 2.開発装置の概要 オンチップ引張試験部には、エッチングによって形成されたSiチップ試験片を作製し、任意の薄膜を形成したチップに荷重を加える事によって試験片に引張応力を負荷させるシステムを作製した.荷重変化に対する試験片の表面性状変化をAFMによるその場観察できるシステムには、原子像に影響を与える負荷時の力学的振動、音波、気流による振動を防ぐため、ピエゾの固定などの防振機構を開発した.開発装置の性能評価は、オンチップ引張試験に用いるSiチップの試験片部分にmicaを貼り付け、引張試験及びAFMその場観察を行った.引張応力を負荷された任意のひずみ状態においてもmicaに見られる6回対称の規則的な像を観察することに成功した.さらに、弾性係数既知のTiN薄膜のヤング率および破壊歪を同時に測定し妥当な結果が得られた. 3.引張応力下でのTiNの破壊形態のAFM観察 Siオンチップ上にTiN薄膜を形成し、その破壊形態を観察すると共に、AuおよびPt基板上での破壊形態の比較を行った.TiN薄膜は、引張り方向に垂直に亀裂を発生し、ひずみの増加とともに亀裂は周期的に増加した.この結果よりTiNの破壊形態はGrinfeld instabilityに起因することを明らかにした.基板の弾性係数が低いAu基板上では、その厚さの増大に伴い、脆性的な試験片全体に及ぶ亀裂から細かい無数の亀裂に分布する形態まで大きく変化した.さらに、これらの亀裂パターンはTiN膜厚とAu基板厚さの比に支配されることが分かり、破壊の制御の可能性を示すことができた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A.Matsumuro: "Development of in-situ surface observation system with an atomic resolution under tensile stress by atomic force microscope"Proc. 2002 MRS Fall Meeting. (in print). (2002)
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[Publications] 松室 昭仁: "原子分解能を有する応力負荷下でのその場表面観察システムの開発"日本機械学会論文集A編. 69・678. 1-8 (2003)