2001 Fiscal Year Annual Research Report
水蒸気を直接の駆動源とする船舶推進装置の性能向上に関する研究
Project/Area Number |
13450077
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
蔦原 道久 神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (10031139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 雅彦 奈良工業高等専門学校, 助教授 (00225822)
片岡 武 神戸大学, 自然科学研究科, 助手 (20273758)
小川 和彦 神戸大学, 工学部, 助教授 (30252802)
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Keywords | 船舶推進装置 / ノズル内流れ / 非定常流れ / 気液混相流 / 流れの可視化 |
Research Abstract |
本年度は、高圧空気およびボイラーで発生させた蒸気を、2次元半開釣り鐘型ノズルに設置した金属パイプの小孔より水中に噴出し、発生する推力を測定し、流れの観測と併せて推力発生のメカニズムを探った。まず、推力、蒸気流量その他パラメータを、パーソナルコンピュータにより処理するシステムを完成した。これにより、測定結果をこれまでより正確に評価することが可能になった。 今年度購入の高速度ビデオを用いたノズル内流れ撮影と推力の測定とにより、以下のことがわかった。まず高圧の空気を注入した場合、これまでの観測では気泡流れと水流が、分離して流れているように見えていたが、高速ビデオ撮影により、空気の噴流は高い周期で方向が上下にふれていることが明らかになった、これはノズル先端部の圧力が高まると、噴流を押し下げ、圧力が下がると噴流の方向が上向くという自励振動であろうと考えられる。これにより、ノズルへの適度な水流の流入が起こっていることがわかった。これと同じ効果として、空気を間欠的に噴出すると同様の流れができ、空気の流量を考慮すると推進効率が増加することがわかった。 蒸気を用いた場合は、ノズル内にはほとんど蒸気相の領域が見られなかった。しかし水流の流速は上がっており、推力は高いことがわかった。流れの詳細はPIV法により、追って検討する。ただ蒸気の勢いは、予想していたよりも小さく、再度加熱する必要があるかもしれない。 来年度は、ノズル内の6点での圧力の時系列データをとり、流れの可視化で確認した振動流、また圧力波の伝播の様子、蒸気を用いた場合のノズル内の圧力上昇などを明らかにし、ノズル性能向上の指針を得ることを目指す。また本年度モデルの構築を目指していた、格子ボルツマン法による数値解析により、相変化をも含めたノズル内流れ全体を把握する事を試みる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Michihisa Tsutahara: "Study of Ship Propulsion Equipment Directly Driven by Steam"Proceedings of IWSH'2001, Second International Workshop on Ship Hydrodynamics. 94-101 (2001)
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[Publications] Michihisa Tsutahara: "Study of new model of the finite difference lattice Boltzmann method"International Conference on Discrete Simulation of Fluid Dynamics, New Trends, New Perspectives. 60 (2001)
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[Publications] 蔦原道久: "差分格子ボルツマン法における新しいモデル"日本機械学会論文集B. 68巻665号. 15-21 (2002)