2001 Fiscal Year Annual Research Report
省エネルギー創生に向けての潜熱エマルジョンスラリーの高密度蓄熱と高度利用法の開発
Project/Area Number |
13450084
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
稲葉 英男 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40133805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春木 直人 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (10311797)
堀部 明彦 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (50229241)
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Keywords | 潜熱エマルジョン / 潜熱スラリーの物性 / 固液相変化 / 直接接触熱交換 / 蓄熱 / 熱伝達特性 / 流動特性 / パラフィン |
Research Abstract |
本年度は,(1)潜熱エマルジョンスラリーの選定及びその物性の評価,そして(2)高温及び低温空気泡群を用いた直接熱交換による新型蓄熱槽の最適化に関する研究を行った. 第一の潜熱エマルジョンスラリーの物性評価に関して,暖房用潜熱蓄熱材には融点50℃,そして冷房用には融点5℃のパラフィンを選定する.これらのパラフィン系潜熱蓄熱材を,粒径数μm程度に高速攪拌器によって水中で微細化し,予め水に添加した非イオン系界面活性剤の存在により,安定分散可能なエマルジョンスラリーを生成する.同潜熱蓄熱材が,水に安定に分散混合するように,その粒径の調整と界面活性剤の種類そしてその添加量を検討し,最適な蓄熱材条件を見出した.微細パラフィン粒子の融解及び凝固挙動は,赤外線顕微鏡画像装置にて計測し,それらの挙動から最適パラフィン径を選定した.得られた潜熱エマルジョンスラリーの熱伝導率を細線熱伝導率計にて,潜熱・比熱は熱分析システム,粘度は回転粘度計及びエマルジョンの粒径分布は倒立型顕微鏡にて測定した.得られた物性値に関する関係式を誘導し,データバンク化を図る.第二の直接接触熱交換による蓄熱法に関する研究では,潜熱エマルジョンスラリーを充填した蓄熱槽底部に設けた疎水性薄膜フィルター(気孔径5μm程度)を介して,熱搬送媒体である高温空気を空気圧縮機(設備備品)からの加圧により発生した無数の微細な空気泡群と潜熱エマルジョンスラリーとを直接熱交換させながら蓄熱を進行させた.その蓄熱特性の高効率化に重要である,微細気泡群による伝熱面積の増大とその流動に伴う攪拌効果を気泡群挙動の可視化実験,熱伝達量及び空気流動抵抗の測定結果より総合的に解明した.さらに,この種の潜熱蓄熱槽の最適設計に必要である潜熱蓄熱材の濃度と充填量,高温空気温度,空気流量及び空気湿度をパラメータとした蓄熱完了時間,蓄熱効率及び熱伝達に関する無次元整理式の誘導をも行った.
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