2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450101
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
安田 隆 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (80270883)
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Keywords | マイクロマシン / マイクロセンサ / 流速センサ / 半導体歪ゲージ / 静電容量 |
Research Abstract |
半導体加工技術を利用して,2種類の感覚毛型流速センサを製作した.これらは,流体力によって引き起こされる感覚毛の根元の歪を検出する方法が異なり,一つは半導体歪ゲージを利用するものであり,他方は静電容量変化を利用するものである. 半導体歪ゲージ型センサは,シリコンウエハ表面にボロンを熱拡散させることにより歪ゲージのブリッジ回路を構成した後に,長さ3mm,幅230μm,厚さ10μmの2本の梁が交差した形状の十字型梁を裏面からのTMAHによる異方性エッチングと表面からのRIEで形成し,最後に十字型梁の中央に直径30μmのアルミ線を接着することにより製作した.このセンサの低速域における特性を計測するために,往復運動する直動スライダ上に流速センサと増幅回路を取り付け,スライダを低速で動かすことでセンサに流体力を加えた.その結果,流速50〜150mm/sccにおいて,センサの出力は気流の流速と比例関係であった. 静電容量型センサの基本構造は,電気学会主催のサーフェスマイクロマシン・チップサービスを利用して製作した.感覚毛に相当する部分は長さ400μm,幅10μm,厚さ2μmの片持ち梁であり,100μm角の可動極に固定されている.この感覚毛が流体力を受けると,可動極を支えている長さ60μm,幅12μm,厚さ2μmの2つのばねが変形し,可動極と固定極との距離が変化し静電容量が変化する.このセンサを簡易型の風洞内に設置し,気流を流す実験を行った結果,50mm/secの流速に対する応答は認められたが,センサ出力と流速との間のきれいな関係を導くことはできなかった.この原因は,ばねが強すぎたために50mm/sccの流速では感覚毛が0.2〜0.3度程度しか傾かず,さらに可動極以外に多くのコンデンサが形成され,全体の0.1%以下の静電容量変化しか得られなかったためであると考えられる.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Isao Shimoyama: "MEMS Meets Insects"Digest of Technical Papers of the 11th International Conference on Solid-State Sensors and Actuators. Vol.1. 6-9 (2001)
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[Publications] 二井信行: "柔軟素材に埋め込み可能なマイクロプレーナコイル触覚センサ"電気学会論文誌. Vol.121-E, No.9. 513-518 (2001)
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[Publications] 尾崎至弘: "低速領域における感覚毛型気流センサの特性"第19回日本ロボット学会学術講演会予稿集. 1219-1220 (2001)