2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450101
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
安田 隆 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (80270883)
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Keywords | マイクロセンサ / 流体センサ / 角加速度センサ / 歪ゲージ / 半規管 / 感覚毛 |
Research Abstract |
厚膜ネガレジストSU-8を用いて長さ1.5mm,幅600μm,厚さ80μmの感覚毛構造を構築し,その根元に幅30μmのAu/Cr薄膜による歪ゲージを作り込み,感覚毛周りの流体の挙動を感覚毛の撓みとして検出することが可能な感覚毛型流体センサを製作した.レジスト材料などのポリマー材料はシリコンよりも2ケタ程度ヤング率が小さいため,ゲージ率の小さな金属歪ゲージであっても,半導体歪ゲージと同等かそれ以上の感度を期待することが可能である.製作した感覚毛先端の変位量と,歪ゲージの抵抗変化率の関係を計測した結果,変位量が大きい場合に僅かなヒステリシスが認められたものの,良好な線形特性が得られた. この感覚毛型センサを利用して,半規管を規範とした角加速度センサを製作した.シリコン樹脂を用いて流路幅2mm,流路半径5mmの円管流路を製作し,その流路内の壁面から感覚毛が飛び出ている状態になるように感覚毛型センサを固定した.円管流路内に粘性の高い流動パラフィンを満たし,円管流路に角加速度を与えると,感覚毛が流体により撓み,その撓み量を歪ゲージの抵抗変化により計測することができた.16.7rad/sec^2の角加速度を与え,その際の歪ゲージの抵抗変化を電圧に変換し300倍に増幅したところ,約20mVの出力が得られた.このセンサは流体を用いているため応答性に問題があるが,他軸回りの角加速度や加速度とのクロストークが小さいという大きな長所をもっている.今後,計測実験を重ねることにより感度や分解能を詳細に求めるとともに,流路内の流体挙動の理論的な解析や,最適な感覚毛構造の導出などを行う必要がある.
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Research Products
(2 results)