2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450101
|
Research Institution | Kyushu Institute Of Technology |
Principal Investigator |
安田 隆 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (80270883)
|
Keywords | マイクロセンサ / 流速センサ / 感覚毛 / マイクロ流路 / マイクロ流体デバイス |
Research Abstract |
本研究で開発した感覚毛型流速センサの長所は,微細な構造で極めて微弱な流速を計測できる点である.よって,本センサは,微小な流路内で低流速の流体を扱うマイクロ流体デバイスに応用されるのが最適である.特に,生化学の分析などに用いられるデバイスでは精密な温度制御が必要となる場合があり,そのような用途では,自ら熱を発生して温度場を乱す従来の熱線型流速センサは適さず,本研究のような温度場に影響を与えないセンサが適している.以上の理由から,本年度はこの感覚毛型センサの応用先であるマイクロ流体デバイスの製作を行い,本センサに必要な諸特性などを求める実験を行った. 数μm〜500μm幅の様々なマイクロ流路を,シリコン基板の結晶異方性エッチング,ガラス基板のフッ酸エッチング,シリコーン樹脂(Polydimethylsiloxane,PDMS)の鋳造などの微細加工により製作した.まず,シリコン基板あるいはガラス基板上に数10μm幅の流路を構築し,その流路中に表面張力を利用したマイクロバルブを構成して,外部圧力によりバルブの開閉を確認した.この開閉時の流速は,外部圧力が5〜8kPaのときpL/sec〜μL/secのオーダーであり,流速が圧力の大きさにより制御し得ることがわかった.次に,シリコーン樹脂製の幅500μmのY字型マイクロ流路中で2液の混合を行った.流路中には,混合のために,寸法100〜200μmの三角柱アレイから成る攪拌構造を作製した.シリンジポンプによって流速1μL/secで2液を吸引した際の蛍光観察により,この攪拌構造が2液の混合を促進することを確認した.また,この流路内で酵素反応を電気化学的に計測する実験を通じて,流速の微弱な変動などが出力電流に大きな影響を及ぼすことがわかり,微弱な流速を計測することの意義を見出した.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 皆田晋介: "マイクロ流体デバイスを用いた神経伝達物質測定用酵素センサの開発"日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会 講演論文集. 2P1-3F-G1(1)-2P1-3F-G1(2) (2003)
-
[Publications] Takashi Yasuda: "Fabrication of a Microfluidic Device for Axonal Growth Control"Technical digest of the 12th International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems. 1259-1262 (2003)
-
[Publications] 皆田晋介: "マイクロチャネルを用いた神経伝達物質計測"日本機械学会 第16回バイオエンジニアリング講演会 講演論文集. 127-128 (2004)
-
[Publications] 中島雄太: "マイクロ流体デバイスによる神経成長因子放出制御"日本機械学会 第16回バイオエンジニアリング講演会 講演論文集. 125-126 (2004)