2002 Fiscal Year Annual Research Report
高電圧直流絶縁システムの高性能化と寿命評価に関する研究
Project/Area Number |
13450112
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
水谷 照吉 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70023249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼子 一重 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (70135309)
森 竜雄 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (40230073)
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Keywords | ポリエチレン / 空間電荷 / ポリイミド / 電気トリー / 部分放電 / 高分子絶縁材料 / 寿命評価 / 直流絶縁システム |
Research Abstract |
平成13年度に引き続き、代表的な高分子絶縁体であるポリエチレンの空間電荷特性に及ぼすポリエチレンの固体構造や電極条件の影響を調べるともに、ポリエチレン以外の高分子絶縁材料(ポリイミド等)の空間電荷特性についても調べた。また、高分子絶縁材料の寿命と密接に関連する電気トリーの開始・進展のメカニズムを部分放電と高速ゲートイメージインテンシファイア(本年度購入備品)を用いた発光観察をもとに検討した。以下に主な成果を列記する。 1.ポリエチレンの空間電荷特性がポリエチレンの固体構造と密接に関連すること明らかにするとともに、密度を変えることにより空間電荷の挙動を制御できることを指摘した。 2.ポリエチレンの空間電荷が電極から注入された電荷により支配されており、また半導電層からのキャリヤ注入が容易であることを明らかにした。 3.ポリエチレン以外に、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、テフロンFEPの空間電荷挙動を明らかにした。特に、ポリイミドでは表面層に吸着した水分によりキャリヤ注入が著しく増大し、ホモ空間電荷が増大することを明らかにした。 4.トリーチャンネル中の部分放電特性と高速ゲートイメージインテンシファイア(本年度購入備品)で観察した発光像の経時変化から、電気トリーの開始・進展のメカニズムを解明するとともに、部分放電による電気トリーの診断法について考察した。 5.ポリエチレン中のボイド放電のPDパターン、PD電流波形、PDの周波数スペクトルの経時変化を実験的/理論的に明らかにするとともに、これらの変化から高分子絶縁材料の寿命評価が可能であることを明らかにした。 これらの成果は、直流絶縁システムの高性能化や寿命評価の信頼性向上に大きな貢献をするものである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 新村健太, 水谷照吉, 兼子一重, 張潮, 森竜雄, 石岡貢: "異なる低密度ポリエチレン界面における空間電荷挙動"電気学会論文誌. 122-A・3. 322-327 (2002)
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[Publications] C.Zhang, T.Mizutani, K.Kaneko, T.Mori, M.Ishioka: "Space Charge Behaviors of Low-Density Polyethylene Blended with Polypropylene Copolymer"Polymer. 43・8. 2261-2266 (2002)
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[Publications] C.-S.Kim, T.Mizutani: "Change in PD Pulse Shape with Ageing"電気学会論文誌. 122-A・5. 501-506 (2002)
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[Publications] C.Zhang, T.Mizutani, K.Kaneko, M.Ishioka: "Decay of Space Charge in LDPE and its Blend Polymer"Journal of Physics D : Applied Physics. 35・15. 1875-1879 (2002)
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[Publications] C.-S.Kim, T.Mizutani: "Correlation between Change in PD Current Shapes and Ageing by the Oxidation of Void Surface"電気学会論文集. 122-A・11. 983-986 (2002)
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[Publications] T.Mizutani: "Electrical Properties of Polymers : Space-Charge Behaviour in Insulating Polymers under High-Voltage Direct Current"Polymer International. 51・11. 1164-1171 (2002)