2002 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導バルク回転子をもつ磁気ベアリング付き超伝導モータに関する基礎研究
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13450113
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
牟田 一彌 京都大学, 工学研究科, 教授 (70039270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 武恒 京都大学, 工学研究科, 助手 (30303861)
星野 勉 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10209231)
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Keywords | 高温超伝導モータ / アキシャル形 / Bi-2223バルク / Sm-123バルク / ヒステリシスモータ / 捕足磁束モータ / 分布巻電機子 / 有限要素解析 |
Research Abstract |
本年度は,分布巻電機子を使用したアキシャル形高温超伝導モータを製作し,その特性を詳細に測定するとともに,有限要素解析によってバルク表面の磁化特性と発生トルクとの関係を明らかにした。多くの重要な知見が得られたが,その主なものを下記に示す。 1.拘束試験ならびにその有限要素解析の結果,低起磁力領域における静止トルクは,ヒステリシストルク,即ちバルク表面のヒステリシスループ面積に比例して発生することが明らかとなった。 2.Bi-2223バルク回転子(外径120mm^Φ,内径26mm^Φ,厚み7mm)を適用したモータ特性の温度依存性を詳細に試験した。その結果,これまで液体窒素冷却では経験的に不可能と考えられていた同期速度回転が,運転温度を68K程度以下まで下げることによって可能なことを初めて明らかにした。さらに,同期到達後であっても,電機子起磁力を木さくし過ぎると再度同期外れを起こすということも分かった。この原因は,Bi-2223バルク材の臨界電流密度の磁界依存性に伴う磁束フローが原因と考えられ,現在詳細な検討を進めている。また,無負荷試験を電機子電圧上昇時と下降時で測定したところ,同期時にはヒステリシスモータとして動作していることが明らかとなった。 3.Sm-123バルク(外径120mm^Φ,内径26mm^Φ,厚み10mm)を回転子に適用し,2.と同一の電機子を用いてモータ試験を行った。運転温度は77.3Kのみである。無負荷試験の結果,同期引き込み後,同モータは捕捉磁束モータとして動作することが明らかとなった。以上より,Bi-2223とSm-123の最も大きな材料学的違いはその磁束ピン止め特性であるが,モータシステーとして見た場合,この違いが異なったトルク発生のメカニズムを生じさせている可能性のあることを示唆している。
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Research Products
(15 results)
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[Publications] I.Muta, H.J.Jung, T.Nakamura, T.Hoshino: "Performance of axial-type motor with Bi-2223 HTS bulk rotor"Physica C. 372-376. 1531-1534 (2002)
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[Publications] 中村武恒, 牟田一彌, 鄭憲俊, 星野勉r: "Bi-2223バルク回転子を適用したアキシャル型高温超電導モータの電磁的基礎特性"低温工学. 37・11. 726-733 (2002)
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[Publications] I.Muta, J.H.June, T.Nakamura, T.Hoshino: "Performance evaluation of axial-type superconducting BSCCO-2223 motor"Proceedings of ICEM2002, Brugge, Belgium. 190-195 (2002)
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[Publications] T.Nakamura, K.Fukui, H.J.Jung, I.Muta, T.Hoshino: "Investigation of magnetic characteristics in HTS bulk materials for motor application"IEEE Transactions on Applied Superconductivity. (印刷中). (2003)
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[Publications] H.J.Jung, T.Nakamura, I.Muta, T.Hoshino: "Characteristics of axial-type HTS motor under different temperature conditions"IEEE Transactions on Applied Superconductivity. (印刷中). (2003)
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[Publications] T.Nakamura, H.J.Jung, K.Fukui I.Muta, T.Hoshino: "Electromagnetic Characteristics of Bi-2223 Disk in a Rotating Magnetic Field"Physica C. (印刷中). (2003)
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[Publications] I.Muta, T.Nakamura, H.J.Jung, T.Hoshino: "Comparative Study of Axial-Type Bi-2223 Bulk Motor with the use of Different Armature Windings"Proceedings of EEMODSO2, Treviso, Italy. (印刷中). (2003)
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[Publications] 中村武恒, 鄭憲俊, 牟田一彌, 福井健太郎, 星野勉: "アキシャル型Bi-2223バルクモータの同期速度回転に関する検討"2002年度秋季(第67回)低温工学・超電導学会講演概要集. 267 (2002)
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[Publications] 福井健太郎, 中村武恒, 鄭憲俊, 牟田一彌, 星野勉: "モータ用Bi-2223バルク回転子における磁化特性の温度依存性"2002年度秋季(第67回)低温工学・超電導学会講演概要集. 268 (2002)
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[Publications] 鄭憲俊, 中村武恒, 福井健太郎, 牟田一彌, 星野勉: "分布巻固定子を用いたアキシヤル型Bi-2223高温超伝導バルクモータの特性評価"平成14年電気関係学会関西支部連合大会講演論文集. G120 (2002)
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[Publications] 福井健太郎, 中村武恒, 鄭憲俊, 牟田一彌, 星野勉: "3次元有限要素法を用いた高温超伝導モータ用Bi-2223バルク回転子の磁界解析"平成14年電気関係学会関西支部連合大会講演論文集. G122 (2002)
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[Publications] 中村武恒, 福井健太郎, 鄭憲俊, 牟田一彌, 星野勉: "Bi-2223バルク回転子の回転磁界中における磁化特性解析"電気学会全国大会講演論文集. 5. 197 (2003)
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[Publications] 田中信圭, 中村武恒, 鄭憲俊, 牟田一彌, 星野勉: "アキシャル型Bi-2223高温超電導バルクモータにおける同期速度回転と空隙距離の関係"電気学会全国大会講演論文集. 5. 290 (2003)
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[Publications] 鄭憲俊, 中村武恒, 田中信圭, 牟田一彌, 星野勉: "Sm系溶融バルク材を回転子に適用したアキシャル型高温超電導モータの基礎特性"電気学会全国大会講演論文集. 5. 291 (2003)
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[Publications] I.Muta, T.Nakamura(分担執筆, 1章分のみ執筆): "Studies of High Temperature Superconductors"Springer Verlag / Kiuwer(編集中). (2003)