2003 Fiscal Year Annual Research Report
サブ20フェムト秒光ファイバソリトンの発生と伝搬機構の解明
Project/Area Number |
13450136
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
土屋 昌弘 独立行政法人通信総合研究所, 基礎先端部門・光情報技術グループ, 主任研究員 (50183869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井筒 雅之 独立行政法人通信総合研究所, 基礎先端部門・光情報技術グループ, グループリーダー (70093375)
神谷 武志 大学評価学位授与機構, 学位審査研究部, 教授 (70010791)
岸 眞人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00150285)
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Keywords | 光ファイバソリトン / フェムト秒 / 高次分散効果 / パルス圧縮 / 究極的時間幅 / スーパーコンティニューム発生 / 超高速フォトニクス / パルス伝搬 |
Research Abstract |
昨年度研究成果である「高次ソリトン圧縮における高次分散効果発現の実験的検証」を受け、本年度研究を実施した。即ち、この興味深い効果をパルス圧縮性能の制限要因と仮定し、その詳細解明を試みた。具体的には、高パルスエネルギー光源を用いる実験研究と、高次分散項を含む非線形シュレディンガー方程式による理論研究を実施し、パルス圧縮に関する制限要因の定式化・モデル化を行った。この際、ラマン散乱緩和時間や緩変動包絡線近似の影響も調査した。これらの結果に基づくと共に、本研究の最終年度であることを鑑み、次に述べる総括的結論が導かれた。 「サブ20fs領域、換言すれば数サイクル光ソリトンの伝搬が光ファイバの如何なる性質により影響を受けるか」という本研究の命題に対し、「サブ20fs領域では光ファイバの四次分散特性が光ファイバソリトンの究極的性質(パルス幅)に対する制限要因や広波長帯域デバイス動作に大きな影響を与える因子として重要である」と結論した。注目されたいのは、光ファイバ非線形性およびそのデバイス応用に関する従来の議論では四次分散特性の影響がほとんど取り扱われておらず、本研究成果がその最初のひとつに位置付けられる点である。本研究成果が契機となり今後の光ファイバ分散制御技術の展開において四次分散特性制御が要点項目となり得ることが予測される。特に、光ファイバコア形状の改良による特性改善がもたらされた暁には光ファイバ非線形に関する性能極限が前進し、広帯域スペクトルデバイスの性能改善、あるいは新規光ファイバ非線形現象の新規発現に通ずるものと期待される。更には、超短・超広帯域フォトニクスの学術的・技術的フロンティアに新展開がもたらされる可能性があり、今後の動向が注目される。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Igarashi, S.Saito, M.Kishi, M.Tsuchiya: "Investigation on fiber-soliton compression into sub-20 fs regime in dispersion-flattened fiber"Japanese Journal of Applied Physics. 43/01. 132-136 (2004)