2003 Fiscal Year Annual Research Report
触覚メディアを用いた分散仮想環境におけるサービス品質制御方式の研究
Project/Area Number |
13450156
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
石橋 豊 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (40252308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布目 敏郎 名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (10345944)
伊藤 嘉浩 名古屋工業大学, 工学研究科, 講師 (50335098)
田坂 修二 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (80110261)
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Keywords | 触覚メディア / 分散仮想環境 / 3次元仮想空間 / マルチメディア / サービス品質制御 / メディア同期制御 / トラヒック制御 / 立体視 |
Research Abstract |
分散仮想環境における触覚メディアのサービス品質(QoS)制御として、(1)触覚メディアと音声とのメディア同期制御及び(2)3次元仮想空間の立体視等の研究に取り組んだ。また、(3)出力品質の評価方法及びQoSマッピング等も研究した。 まず、(1)の研究では、研究代表者らが以前に提案したVTR(Virtual-Time Rendering)アルゴリズムを拡張した。マスタメディアとして触覚メディア、スレーブメディアとして音声を選択し、メディア間同期誤差の許容限界(これ以上大きいと許容できない誤差)と知覚限界(これ以上小さいと近くできない誤差)を導入した。そして、同期誤差が許容限界を超える場合にのみ、誤差が知覚限界に入るまで、誤差を徐々に小さくした。また、マスタとスレーブの出力タイミングの変更を独立に行えるようにもした。実験によって、提案アルゴリズムの有効性を示した。 次に、(2)に関しては、両眼視差を利用した方法を採用し、液晶シャッタ眼鏡を用いて、立体視を実現した。ネットワーク遅延やその揺らぎ等による作業効率の劣化と、立体視の効果との関係を調べた。その結果、立体視は、ネットワーク負荷を軽減する効果があり、作業の効率を上げることが明らかになった。但し、ネットワーク負荷が増加すると、立体視の効果が小さくなっていくことも分かった。 最後に、(3)の研究においては、VTRとSkippingというメディア同期アルゴリズムに対して、心理学的な手法を用い、評価尺度として距離尺度を求めた。そして、これらのアルゴリズムの適用領域を明らかにした。また、QoSマッピングを行い、アプリケーションレベルとユーザレベル間のQoSパラメータの関係を明確化した。この他、端末間同期制御の研究も行い、出力タイミングを早い方に合わせるのが望ましいこと等を示した。
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Research Products
(20 results)
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[Publications] 神原健: "分散仮想環境におけるDead-Reckoningを用いた触覚メディア同期方式"電子情報通信学会技術研究報告コミュニケーションクオリティ研究会. CQ2003-7. 39-44 (2003)
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[Publications] Yutaka Ishibashi: "Group synchronization in networked virtual environments"Conference Record of IEEE ICC. 885-890 (2003)
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[Publications] Yutaka Ishibashi: "Causality and media synchronization control for networked multimedia games : Centralized versus distributed"Proceedings of ACM NetGames. 34-43 (2003)
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[Publications] 藤本正樹: "触覚メディアを用いた分散仮想環境における反力の適応制御方式"電子情報通信学会技術研究報告コミュニケーションクオリティ研究会. CQ2003-32. 1-6 (2003)
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[Publications] 安井隆博: "アバタを用いた分散仮想環境における適応型QoS制御及び端末間同期制卸実験"電気関係学会東海支部連合大会講演論文集. 361. 181-181 (2003)
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[Publications] 稲積克哲: "分散仮想環境におけるCGと音声のQoS制御"電気関係学会東海支部連合大会講演論文集. 362. 181-181 (2003)
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[Publications] 神原健: "触覚メディアを用いた分散仮想環境におけるメディア同期制御及びトラヒック制御実験"電気関係学会東海支部連合大会講演論文集. 363. 182-182 (2003)
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[Publications] 馬場敦久: "心理学的測定法を用いた触覚メディア同期品質評価"電気関係学会東海支部連合大会講演論文集. 364. 182-182 (2003)
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[Publications] 稲積克哲: "分散仮想環境におけるCGアバタの動作と音声のメディア同期制御実験"電子情報通信学会技術研究報告コミュニケーションクオリティ研究会. CQ2003-108. 111-114 (2003)
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[Publications] 神原健: "分散仮想環境における触覚メディアと音声の同期制御実験"電子情報通信学会総合大会講演論文集. B-11-26. (2004)
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[Publications] 兼岡弘幸: "触覚メディアを用いた分散仮想環境における端末間同期制御実験"電子情報通信学会総合大会講演論文集. B-11-27. (2004)
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[Publications] 藤本正樹: "触覚メディアを用いた分散仮想空間の立体視が作業効率に及ぼす影響"電子情報通信学会総合大会講演論文集. B-11-28. (2004)
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[Publications] 安井隆博: "ネットワーク型ゲームにおけるΔ因果順序方式と予測方式の性能比較"電子情報通信学会総合大会議論文集. B-11-35. (2004)
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[Publications] 浅野寿朗: "触る分散仮想博物館におけるQoS制御"信学ヒューマンコミュニケーショングループシンポジウム:技術研究報告マルチメディア・仮想環境基礎研究会. MVE2004. (2004)
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[Publications] 浅野寿朗: "触る分散仮想博物館におけるQoS制御"電子情報通信学会技術研究報告コミュニケーションクオリティ研究会. CQ2003-107. 111-114 (2003)
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[Publications] Yutaka Ishibashi: "Group synchronization control for haptic media in networked virtual environments"Proceedings of the 12th IEEE Symposium on Haptic Interfaces for Virtual Enviromnent and Teleoperator Systems (Haptics). (2004)
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[Publications] 藤本正樹: "触覚メディア通信における反力の適応制御"電子情報通信学会論文誌(B). (2004)
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[Publications] 藤本正樹: "触覚メディアを用いた作業における分散仮想空間の立体視の効果"電子情報通信学会技術研究報告コミュニケーションクオリティ研究会. CQ2004. (2004)
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[Publications] Takeshi Kanbara: "Haptic media synchronization control with dead-reckoning in networked virtual environments"Proceedings of the 8th World Multi-Conference on Systemics, Cyberntics and Informatics (SCI). (2004)
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[Publications] Masaki Fujimoto: "A compensation scheme for network delay jitter of haptic media in networked virtual environments"Proceedings of the 8th World Multi-Conference on Systemics, Cybernetics and Informatics (SCI). (2004)