2002 Fiscal Year Annual Research Report
解剖学的アプローチによる高精細・忠実な顔面筋モデルの作成と運動制御
Project/Area Number |
13450161
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
森島 繁生 成蹊大学, 工学部, 教授 (10200411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 和幸 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (80130524)
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Keywords | 顔アニメーション / 表情筋モデル / 物理シミュレーション / ダイナミクス / リップシンク / レンジファインダー / プラグイン / バネモデル |
Research Abstract |
本研究では、人間の表情筋を実態に忠実にモデル化して、そのダイナミックな特性をルール化し、この新しい表情筋モデルの制御によってよりリアリティの高い表情合成を実現した。いくつかの表情筋の解剖結果から、表情筋の形状、表情筋の配置、その発達の状況、個人差による違いの統計を明らかにし、表情筋と表出される表情との関係を忠実にモデル化して、個人差も考慮可能な表情顔モデルを構成した。さらに個々の表情筋に運動特性を与え、脂肪層と皮膚層を付加することによって、リアリティが高い表情アニメーションの自動生成システムを実現した。 (1)表情筋モデルの実装 表情筋モデルは、個々の表情筋および皮膚の張力をバネモデルで近似し、さらにそのバネの力の影響力を筋肉のボリュームで制限するものである。またボリュームの変化を制御して、体積保存則を適用し、表情筋同士の衝突判定によって自然な表情表出を可能にした。この表情筋モデルは、Alias/Wavefront社のモデリングツールMayaのプラグインとして実装を完了している。表情筋の配置と運動特性について、カスタマイズが可能で、個人性を考慮した独自のモデルを定義することが可能である。 (2)表情変形ルールの定義 レンジファインダーによって、表情変化時の皮膚の3次元変形量を実測し、この変化に近づくように、個々の表情筋の強度を決定して、基本表情を定義した。基本表情としては、従来のFACSとは別に、個々の基本動作がなるべく独立となるよう11個の基本ユニットを定義した。また幾何変形のみならず、撮影した基本表情のテクスチャをブレンディングすることによって、より自然な印象の表情合成を実現した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 森島繁生: "エンタテインメントのための表情分析・合成技術"日本バーチャルリアリティ学会論文誌. 7巻・4号. 533-542 (2002)
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[Publications] 森島繁生: "HAIにおけるエージェントのリアリティとコミュニケーションギャップ"人工知能学会誌. 17巻6号. 687-692 (2002)
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[Publications] 森島繁生, 四倉達夫他: "カスタマイズ性を考慮した擬人化音声対話ソフトウェアツールキットの設計"情報処理学会論文誌. 43巻7号. 2249-2263 (2002)
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[Publications] Tatsuo Yotsukura, Shigeo Morishima et al.: "Hyper Mask-projecting a talking head on to a real object"The Visual Computer. Vol.18No.2. 111-120 (2002)
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[Publications] Keisuke Kishi, Shigeo Morishima: "Styling and Animating Human Hair"System and Computer in Japan. Vol.33No.3. 31-40 (2002)
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[Publications] 四倉達夫, 森島繁生他: "Hyper Mask:3次元顔モデルを用いた仮面の構築"電子情報通信学会論文誌D-II. J85巻1号. 36-45 (2002)