2002 Fiscal Year Annual Research Report
FESによる麻痺肢制御のための生体情報の検出・処理法
Project/Area Number |
13450167
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
星宮 望 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50005394)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 裕教 理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員(研究職) (30333868)
渡邉 高志 東北大学, 情報シナジーセンター, 助教授 (90250696)
二見 亮弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20156938)
半田 康延 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (00111790)
加納 慎一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00282103)
|
Keywords | 機能的電気刺激(FES) / マン・マシンインターフェース / 生体信号 / 神経インパルス / 脳波 / 活性炭電極 |
Research Abstract |
使用者の残存機能を制限することのない福祉機器の随意的制御を可能にするために,ヒトから計測される生体信号の検出・弁別手法の開発を行うことを目的として研究を行った. (1)運動に関連する脳波成分の検出に関する研究 ユーザの頭部表皮上に設置した電極から誘導した脳波からユーザの運動に関連する成分を検出するための予備実験を行った.光刺激に同期して右肘関節屈曲運動,右示指第二関節屈曲運動をヒト被験者に行わせ,それぞれの遂行中における脳波を計測した.本実験の結果,両方の条件において運動準備電位などの運動関連電位が加算平均波形に認められたが,肘関節屈曲の場合の電位の方が指関節屈曲の場合よりもS/N比が良好であり,必要な加算平均回数も少なかった.これは大規模な運動動作である肘関節屈曲によって誘発される脳活動の方が指関節屈曲の場合よりも大規模であることが原因であると考えられる.今後は,時間-周波数解析などの解析手法の検討,誘導位置などの詳細な検討を行うことに加えて,運動の意図に関連する電位の同定および計測のための技術を確立する必要がある. (2)脳波計測のための装着が容易な電極に関する検討 脳波信号の導出を目的として,ペーストなしで簡単に電極装着が可能で,かつ生体への侵襲が少ない電極の開発を検討している.本研究では蓄電を目的とした大容量キャパシタにも利用されている活性炭に着目し,低インピーダンスの生体用表面電極としての応用を試みた.その結果,インピーダンスの大きさは同じ表面積で比較すると,従来から一般的に使用されている銀-塩化銀電極に比べて活性炭電極の方が低いことが示された.また雑音特性は10Hzから1kHzの帯域幅において,ほぼ熱雑音で占められており過剰雑音が認められないことがわかった.以上の結果から,本研究で開発を行っている活性炭電極は低インピーダンスかつ低雑音であり,脳波信号導出用として有望であることが示された.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 加納慎一郎: "生体信号の計測と信号処理"電気学会論文誌. 122-C・9. 1403-1411 (2002)
-
[Publications] 福元剛智: "皮膚の複素インピーダンス軌跡変化の高時間分解能測定"電気学会論文誌. 122-C・9. 1433-1440 (2002)
-
[Publications] Hironori Nakatani: "Classification of Nerve Action Potentials for Estimation of Sensory Unit Activity"Systems and Computers in Japan. 33・6. 44-52 (2002)
-
[Publications] 大庭茂男: "活性炭を用いたEEG検出用電極の特性"平成14年度電気関係学会東北支部連合大会 講演論文集. 344 (2002)
-
[Publications] Tatsuya Kamiguchi: "Basic Study for Multiple and Simultaneous Measurment of Skin Impedance Loci"平成14年度電気関係学会東北支部連合大会 講演論文集. 13 (2002)
-
[Publications] 神口達也: "皮膚インピーダンスの多点同時測定における評価パラメータの基礎的検討"電子情報通信学会技術研究報告. MBE2002-65. 5-8 (2002)