2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450175
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀 洋一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50165578)
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Keywords | 福祉制御工学 / 高齢者・障害者支援 / 人間機械協調型モーションコントロール / パワーアシストロボット / パワーアシスト車椅子 / 動力義足 / 高齢者モニタリングシステム / 産業用ロボットモニタリングシステム |
Research Abstract |
本研究は「福祉制御工学」という新しい学問体系を確立することを目的とし,計測・制御工学上の深くかつ原理的な議論をベースとして,高齢者・障害者支援技術に貢献できる新しい可能性を見出すことを目標としており,下記の成果を得ることができた。 (1)高齢者支援を目的としたパワーアシストロボットの制御法 位置制御と力制御をベースとしたパワーアシストロボットの新しい制御手法を提案し実験的検討を行った。力の増幅や操作性,操作者に対する環境変動の認知についても被験者評価を通して有効性を確認した。力センサレス化の実現や操作性の向上についても議論し,介護ロボット等に有用なパワーアシストロボットの制御系設計指針を示した。 (2)パワーアシスト車椅子の多機能制御法 ユーザの行動範囲を広げる移動支援技術として期待の大きいパワーアシスト車椅子の高・多機能化を目指し,基本となるアシスト制御手法,走行時に問題となる後方転倒を防止する制御法,段差越え時のウィリー動作を安全に実現する手法を提案し,製作した実機による検討を行った。 (3)動力義足の新しい制御・設計法 動力義足などの歩行支援装具による歩行動作をより安全に実現するための構成や設計法,軌道予測法を提案し,また人間の歩行を実験的に解析することで,動力義足への応用の可能性を実証した。 (4)高齢者モニタリングシステムの提案 簡単なカメラを用いて高齢者の非日常動作を検出するモニタリングシステムを提案した。関連研究の調査に基づき本システムの意義を明確にした上で,固有空間法等に基づく検出アルゴリズムを検討した。またこれを産業用ロボットの異常動作を検出するモニタリングシステムに適用し,短時間での異常動作検出,速度解析を実現した。 各研究項目を通して,人間機械協調システムにおける制御系設計の一つの指針を見出したこと,福祉制御工学の体系化を目指した第一歩の研究として,将来にもつながる可能性を示したことが本研究の成果であるといえる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Naoki Hata, Yoichi Hori: "Basic Research on Power Limb using Variable Stiffness Mechanism"Proc. of PCC-Osaka 2002. (2002)
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[Publications] Naoki Hata, Yoichi Hori: "Basic Research on Power Limb Using Gait Information of Able-Side Leg"Proc. of AMC 2002. 540-545 (2002)
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[Publications] 関 弘和, 堀 洋一: "環境変動にロバストな力センサレスパワーアシストロボットの制御"平成14年電気学会産業応用部門大会. No.27. (2002)
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[Publications] Hirokazu Seki, Masahito Iso, Yoichi Hori: "How to Design Force Sensorless Power Assist Robot Considering Environmental Characteristics"Proc. of IEEE-IECON. (2002)
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[Publications] 畠 直輝, 堀 洋一: "受動歩行を応用した歩行支援型装具の実現"日本機械学会第2回福祉工学シンポジウム. (2002)
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[Publications] 小安雄一, 畠 直輝, 関 弘和, 堀 洋一: "パワーアシスト車椅子における後方転倒現象の解析とその制御"電気学会産業計測制御研究会. IIC-03-51. (2003)