2001 Fiscal Year Annual Research Report
河川感潮域における懸濁物質の挙動と貧酸素水塊の発生及び流動に関する研究
Project/Area Number |
13450202
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石川 忠晴 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50159696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 勝英 国土交通省国土技術政策総合研究所, 河川研究部・河川研究室, 研究員
鈴木 伴征 独立行政法人 土木研究所, 水土研究グループ, 研究員
銭 新 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (20334500)
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Keywords | 河潮域 / 塩水流動 / 懸濁物質 / 貧酸素水塊 / 現地観測 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
1.利根川での観測 16.5KPにもモニタリング用ステーションを設置し、ADCPにより流速鉛直分布を、メモリー式濁度計により低層濁度の時間変化を計測した。また8月に集中観測を行い、濁度の巻上げの様子を一昼夜にわたって計測するとともに、縦断的な濁度の時空間計測を行った。その結果、(1)底泥の巻上げは主として逆流開始から逆流最盛期にかけて生じること、(2)底泥の拡散による濁度上昇は主として塩水層内に限られること、(3)塩水楔先端の3km程度の区間で濁度の集中的上昇(turbidity Maximum)が生じること、(4)しかし現象の縦断方向変化は小さく概ね鉛直一次元的現象であること、などが明らかになった。また、底泥のサンプル調査を8月から2月にかけて実施し、出水による底質の粗粒化と、その後の細粒化の課程を調べた。その結果、(1)3000クラスの出水で部分的粗粒化が生じ8000クラスの出水で全区間的粗粒化が生じること、(2)全区間の粗粒化が生じた場合には、再び細粒化するまで数ヶ月を要すること、(3)細粒化は下流から上流に伝播し、伝播し終わってからTurbidity Maximumが生じはじめること、などが明らかとなった。 2.北上川での観測 新しいフィールドであるので、今年度は主として塩水流動について現地観測するとともに、鉛直二次元k-εモデルの適用性を調べた。シミュレーション結果を約半年間の観測結果を比較したところ、極めて広い範囲の流量条件に対して、同モデルが極めて有効に機能することを確認した。
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