2003 Fiscal Year Annual Research Report
河川感潮域における懸濁物質の挙動と貧酸素水塊の発生及び流動に関する研究
Project/Area Number |
13450202
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石川 忠晴 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50159696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 伴征 独立行政法人土木研究所, 水工研究グループ, 研究員
銭 新 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (20334500)
中村 恭志 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 講師 (40323315)
横山 勝英 東京都立大学, 大学院・土木工学専攻, 講師 (10347271)
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Keywords | 感潮域 / 塩水流動 / 懸濁物質 / 貧酸素水塊 / 現地観測 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
1.現地観測 (1).利根川での従来の観測では、ADCPと多項目水質計を用いていたので、観測された濁質の浮上・沈降・移流を成分分解できなかった。そこで今年度は、ADPにより流速と濁度の乱流変動計測を実施した。その結果、上記の3成分を定量的に把握できるとともに、潮汐の位相によって浮上濁質の特性が異なっていることを明らかにできた。(2).北上川の流入する追波湾において出水時の濁質と塩分の空間分布を観測し、ランドサット衛星画像との相関分析を行い、湾内における低塩分水塊の挙動を把握できた。(3).上記2河川と異なる潮位条件を持つ白川で現地観測を行い、成層状態が強混合から緩混合に推移する過程を明らかにした。 2.数値シミュレーションモデルの作成 (1).複雑な形状の感潮域における3次元流動を少ない計算負荷でシミュレーションするために、MEL1B-MBの適用可能性を検討し高瀬川に適用し、昨年度実施された現地観測と比較し、良好な再現性のあることを確認した。(2).感潮域の流動は自由水面の微妙な時間変動によってコントロールされているが、移動・変形する自由水面上での境界条件を適切に与えるシミュレーションモデルは十分構築されているとはいえない。そこで本研究では、裏返し有限要素法という新たな数値計算法を開発し、感潮域の流動シミュレーションの精度向上を図った。 3.感潮域の環境計画 昨年度までの成果と上記の結果を総合し、河川感潮域における環境計画についての基本事項をまとめた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 工藤健太郎, 石川忠晴, 中村恭志: "境界条件を計算領域内部に設定する流体運動計算法の開発"水工学論文集、土木学会. 第50巻. 691-696 (2004)
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[Publications] 清水健司, 入江光輝, 石川忠晴: "利根川感潮域における乱流と底泥の巻上げに関する現地実験"水工学論文集、土木学会. 第50巻. 769-774 (2004)
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[Publications] 鈴木伴征, Simanjuntak, A., 石川忠晴, Imberger, J.: "利根川河口堰下流部における潮汐流動に伴う微細粒子の運動"水工学論文集、土木学会. 第50巻. 775-780 (2004)
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[Publications] 和光一紀, 中山恵介, 石川忠晴: "高瀬川の浅瀬が塩水遡上に与える影響について"水工学論文集、土木学会. 第50巻. 793-798 (2004)
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[Publications] 石川忠晴, 工藤健太郎, 坂井洋平, 入江光輝, 李〓錫, 田中總太郎: "北上川融雪出水による追波湾の低塩分化について"水工学論文集、土木学会. 第50巻. 1225-1230 (2004)
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[Publications] Ishikawa, T., Suzuki, T., Qian, X.: "Hydraulic Study of the Onset of Hypoxia in the Tone River Estuary"J.Environmental Engineering, ASCE. Vol.130,No.5. (2004)