2001 Fiscal Year Annual Research Report
不確実性下での柔軟な社会基盤投資・運用計画のための数理的方法に関する研究
Project/Area Number |
13450206
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤松 隆 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (90262964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森杉 壽芳 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80026161)
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Keywords | 不確実性下での投資 / オプション / 社会資本評価 / 不完備市場 / 無裁定原理 / 変分不等式 / グラフ構造 / 確率的制御 |
Research Abstract |
本研究は、不確実な動的環境要因を明示的に表現しうる枠組下で、社会基盤施設の投資および運用における動的な最適意思決定問題を考察するものである。より具体的には、まず、社会基盤施設の整備・運用プロジェクトを、以下のように定義する : a)相互関係がグラフ構造として表現されるactivity(意思決定項目)を持ち、b)その各種意思決定および確率的環境に依存した不確実なcash flow streamを多期間にわたって生むもの。そして、a)で定義される意思決定項目を制御変数、b)で定義される確率的cash flow streamに対する期待効用を目的関数とする確率的動的制御問題を考える。 本年度の研究内容は、おおよそ2つに分かれる : (1)完備市場の存在を前提とした、グラフ・オプション構造を持つプロジェクトの意思決定・評価法、(2)不完備市場リスクの評価法。(1)については、各activityにおけるcash flow streamの不確実性が少数のリスク・ファクターを用いて表現できる場合について、連続時間・連続状態での定式化および基礎的性質の解析を行った後、アルゴリズムを構築した。特に、cycleが含まれる場合については、標準形相補性問題に帰着できることを明らかにした。(2)については、単純なオプション構造の場合を対象として、不完備市場リスクと完備市場リスクの両者が含まれるプロジェクトを整合的に評価する方法を開発した。その提案モデルは、無裁定原理から導かれるmartingale測度(状態価格)推定問題に、K-L情報量に関する制約を導入したものである。これを連続時間・連続状態で定式化し、基礎的性質の解析を行った後、再帰的計算に基づく効率的な評価アルゴリズムを構築した。
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Research Products
(1 results)