2002 Fiscal Year Annual Research Report
有害重金属による環境汚染を特異的に検出するための新規生物工学技術の研究
Project/Area Number |
13450216
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
遠藤 銀朗 東北学院大学, 工学部, 教授 (80194033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 勝 東北学院大学, 工学部・(日本学術振興会), 日本学術振興会特別研究院(PD)
海田 輝之 岩手大学, 工学部, 教授 (30117072)
芳生 秀光 摂南大学, 薬学部, 教授 (80101294)
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Keywords | 重金属汚染 / バイオセンサー / 遺伝子発現システム / 発光遺伝子 / 水銀耐性オペロン / 定量分析技術 |
Research Abstract |
本研究では、生物にとって有害な環境汚染重金属を検出するために必要とされる重金属バイオセンサー技術の開発を行なっている。本年度の研究においては、安定な状態で存在する比較的無害な重金属化合物は検出せずに、生物に摂取されて細胞に対して生理的に有害な作用を及ぼす重金属化合物のみを選択的・特異的に検出するための微生物細胞を用いたバイオセンサーシステムの開発に成功した。また、環境リスクを引き起こすことが知られている重金属化合物であっても、これまでは測定不可能であった低い濃度範囲における環境リスクを定量するための高感度バイオセンサーシステムを開発する研究にも着手した。具体的には、以下のようなシステムを開発した。 ・重金属耐性オペロンの発現調節システムを活用しレポーター遺伝子の発現と同調させることによる細菌細胞の分子生物学的応答等を応用して、新規なバイオセンサーシステムを組み込んだ重金属化合物のバイオモニタリングシステムの基本形式を開発することができた。 ・新規環境リスク検出・定量方法として、遺伝子発現応答を応用した有害重金属化合物の種類ごとに選択的に定量できるバイオルミネッセンスセンサーシステムを開発した。この研究では、細菌が持っている重金属応答遺伝子発現調節システムと生物発光遺伝子の融合オペロンシステムを構築して、微生物細胞レベルで生物摂取可能な重金属化合物種ごとの特異的・選択的に定量可能なバイオセンサーデバイスを遺伝子工学的に開発した。 ・上記のバイオルミネッセンスセンサーシステムをさらに発展させて、バイオセンサーシステムを極低濃度の有害重金属化合物の定量に用いるための超高感度化バイオセンサーの基本デバイスを作製できた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Pan-Hou, M.Kiyono, H.Omura, T.Omura, G.Endo: "57)Polyphosphate production in recombinat Escherichia coil confers mercury resistance"FEMS Microbiology Letters. No.10325. 160-164 (2002)
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[Publications] M.Narita, T.Yamagata, H.Ishii, C.-C.Huang, G.Endo: "Simultaneous detection and removal of organomercurial compounds by using the genetic expression system of an organomercury lyase from the TnMERII"Applied Microbiology and Biotechnology. Vol.59, No.1. 86-90 (2002)
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[Publications] C-C.Huang, M.Narita, T.Yamagata, G.Endo, S.Silver: "Characterization of two regulatory genes of the mercury resistance determinants from TnMERII by luciferase-based examination"Gene. No.301. 13-20 (2002)
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[Publications] T.Yamagata, M.Ishii, M.Narita, C.C.Huang, G.Endo: "Bio-affecting mercury detection using mercury resistance gene module fused with bioluminescence reporter genes"Water Science and Technology. Vol.46, No.11-12. 253-256 (2002)
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[Publications] G.Endo, M.Narita, C-C.Huang, Simon Silver: "Heavy metal resistance transposons and plasmids : Potential use for Environmental Biotechnology"J. Environmental Biotechnology. Vol.2, No.2. 71-82 (2002)
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[Publications] 芳生秀光, 清野正子: "水銀汚染浄化のための新規バイオテクノロジー"環境バイオテクノロジー学会誌. Vol.2, No.2. 95-102 (2002)