2001 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線および放射線による病原性原虫クリプトスポリジウムの不活化
Project/Area Number |
13450217
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
平田 強 麻布大学, 環境保健学部, 教授 (50005493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 重光 麻布大学, 環境保健学部, 講師 (50318888)
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Keywords | Cryptosporidium parvum / 不活化 / 紫外線 / マウス感染性 / 脱嚢 / 温度依存性 / 線量率依存性 |
Research Abstract |
1紫外線のC.parvum HNJ-1株オーシスト不活化効果の感染並びに脱嚢による定量的評価 pH緩衝清水(pH7.2)にC.parvum HNJ-1株オーシストを懸濁させた系に20℃で紫外線(低圧,254nm付近,線量率0.2mW/cm^2)を照射して評価した。不活化はSCIDマウス感染性と脱嚢により評価し,感染性が紫外線照射線量の増加に伴ってChick-Watsonモデルに従って指数関数的に減少すること,感染性を1log低下させるのに必要な紫外線照射線量は0.5mJ/cm^2と著しく小さいこと,を明らかにした。 2紫外線の不活化力に及ぼす水温の影響評価 水温3、10、20、30℃で紫外線のオーシスト不活化力を評価し、オーシストの感染性を低下させる紫外線の能力は水温にほとんど依存せず、水温が10℃低下したときの必要紫外線照射線量の増加はわずか7%に過ぎないことを明らかにした。 3紫外線の不活化に及ぼす照射線量率の影響 線量率が必要紫外線照射線量に及ぼす影響を線量率0.048、0.12、0.60mW/cm^2で評価した。必要紫外線量は線量率にほとんど依存せず、線量率を10倍にしたときの必要紫外線量は8%増加する程度で、実質上、不活化効果は線量率に関係なく単に照射線量により決定されることが明らかになった。 4培養細胞を用いたC.parvumの細胞感染性評価手法の確立 HCT細胞を用いた感染性評価方法について予備的検討を行い、HCT細胞に侵入したスポロゾイトを発育させることができた。また、スポロゾイトから発展した段階のクリプトスポリジウム粒子数と接種オーシスト数の間にDose-responseが認められた。しかし、両者の関係を利用して感染性のある接種オーシスト数を推定するには精度が不十分で、MPN法を模索する必要があることが示唆された。
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