2001 Fiscal Year Annual Research Report
組物の復元力特性を考慮した伝統的木造建築の振動特性に関する実験的研究
Project/Area Number |
13450218
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂本 功 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90011212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 正彦 東急建設, 建設エンジニアリング部, 研究職
清家 剛 東京大学, 大学院・新領域創世科学研究所, 助教授 (60236065)
大橋 好光 熊本県立大学, 環境共生学部, 助教授 (70160603)
藤田 香織 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (20322349)
田中 禎彦 文部科学省文化庁, 建造物課, 文部技官
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Keywords | 大斗肘木 / 出三斗 / 静的水平加力試験 / 摩擦 / めり込み / 剛性評価 / ダボ / 大斗 |
Research Abstract |
本年度は,東京都立大学内の実験施設にて組物の静的水平加力実験を行った.試験体は最も基本的な形状の組物である大斗肘木と出三斗の実物大部分模型とし,過去に申請者らが行ってきた一連の実験と同様に,2m四方の平面の四隅に柱頭部分70cmを配し,その上に組物の実物大部分模型を載せた状態で加力を行った.加力は正負交番静的水平加力実験とし,変位制御にて最大変形角1/20rad.まで加力を行うことにより,組物の大変形領域での挙動を明らかにした.また,各試体につき2種類、の積載荷重の条件(桧皮葺に相当する0.5tonf/柱と本瓦葺に相当する3tonf/柱)で加力を行い,約50台の変位計(東京大学所有)を用いて,各部材の水平・回転変位を測定した.その結果,以下の点が明らかになった,(1)組物の復元力特性はバイリニア型または紡錘形を示し,繰り返し加力に対する剛性の低下が認められない,(2)組物の変形は,大斗の回転→部材同士の滑り→ダポのめり込みを伴う部材どうしの滑り,という3つの変形が段階的に現れる.(3)大変形領域(1/60rad.以上)では部材同士の滑りを伴うせん断変形が主要な変形要素である.(4)大変形領域での剛性はダボのめり込み剛性から求められ,上載荷重の影響は受けない.(5)初期剛性は組物の種類にはよらず,大斗の形状から理論的に求められる.(6)上載荷重の増加に伴い大斗の浮き上がりが拘束されるため,初期剛性は上載荷重の増加に伴い上昇する.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 藤田香織, 坂本功(他): "伝統的木造建築の組物の振動台実験 (その7)地震応答解析"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-1分冊. 171-172 (2001)
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[Publications] 藤田香織, 坂本功(他): "静的水平加力試験に基づく伝統的木造建築の組物の履歴モデルと剛性評価"日本建築学会構造系論文集. 543. 121-127 (2001)
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[Publications] 藤田香織: "ダボとガタ"建築雑誌. 116・1472. 51 (2001)
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[Publications] 藤田香織, 腰原幹雄, 坂本功: "伝統的木造五重塔の振動実験"パッシブ制振構造シンポジウム. 213-218 (2001)