2002 Fiscal Year Annual Research Report
3d遷移金属および希土類合金の硬X線発光磁気円二色性の研究
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13450257
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
七尾 進 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60013231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 哲也 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (70311355)
渡辺 康裕 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (80182955)
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Keywords | 放射光X線 / 磁性材料 / X線発光 / 磁気円二色性 / 磁性電子 / 磁気構造 / 元素選択性 / 電子状態 |
Research Abstract |
X線発光スペクトル(XES : X-ray Emission Spectra)は、X線によって物質中の内殻電子が励起された後の二次光学過程であり、XESからは電子多重項構造、バンド構造、結合状態などの電子状態に関する固体物性に重要な情報が元素選択的に得られることが知られている。本研究では、スピン情報をもったXES、すなわちMCD-XESの測定法の開発と遷移金属および希土類金属への応用を目的としている。 本年度の研究成果は次の通りである。 KEK-PFにおいてSm-Co合金試料の発光MCDの実験結果およびルビジウム化合物に対するXESの測定結果を解析し論文としてまとめ学術雑誌上で公表した。 SPring-8においては、XES用のビームラインを立ち上げのための研究開発課題の下に、東北大多元研のメンバーと共に、SPring-8におけるXES測定のための測定装置の製作と整備および種々の基礎実験を行った。すなわち、集光ミラー、二次元検出器、二次元検出器用エネルギー解析装置およびゴニオメータの設置・整備を行うとともに、XESのMCD実験を遂行するために、円偏光生成装置(移相子システム)の動作テストを行った。 この実験の課程でCu化合物およびMn化合物に対するXESの測定をするとともにこの測定を基にしてLifetime-Free XAFSという新規の高分解能XAFSの開発を行った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] I.Yamamoto, S.Nagamatsu, T.Nakamura, T.Fujikawa, S.Nanao: "Multiple scattering approach to Co K-edge XMCD and XANES spectra in Gd-Co alloys"J Electron Spectroscopy and Related Phenomena. 125. 89-98 (2002)
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[Publications] H.Miyagawa, T.Nakamura, Y.Watanabe, M.Ito, S.Nanao: "Orbital and spin moments in SmFe2 studied by means of white-x-ray magnetic diffraction"J. Phys.: Condens. Matter. 14. 9525-9534 (2002)
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[Publications] Y.Watanabe, J.Okada Tamura, H.Shoji, S.Nanao: "Resonant Flourescence Emission of Mn Kb in Quasicrystals"J. Alloys and Compounds. 342. 422-426 (2002)
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[Publications] H.Osawa, T.Iwazumi, H.Shoji, E.Hirai, T.Nakamura, S.Nanao: "Thermal phase transition of RbMnFe(CN)6 observed by X-ray emission and absorption spectroscopy"Solid State Communications. 125. 273-241 (2003)