2002 Fiscal Year Annual Research Report
ゾルーゲル法によって作製される薄膜の表面組織の制御と応用
| Project/Area Number |
13450273
|
|---|
| Research Institution | Osaka Prefecture University |
|---|
Principal Investigator |
南 努 大阪府立大学, 学長 (80081313)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 厚範 豊橋技術科学大学, 物質工学系, 助教授 (70295723)
忠永 清治 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (90244657)
辰巳砂 昌弘 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (50137238)
|
|---|
| Keywords | ゾルーゲル法 / 超撥水法 / 超親水性 / 無機-有機複合体 / 低反射率コート / 微細組織 / 温水処理 / 紫外光照射 |
|---|
| Research Abstract |
本年度得られた成果の概要を以下に示す。
1.アセチルアセトンで化学修飾したチタンアルコキシドを用いて作製したシリカ・チタニアゲル膜に紫外光を照射すると、種々の溶液に対する溶解性が未照射部分より低くなることがわかった。この現象を利用し、フォトマスクを介してUV照射し、エッチングすることにより、シリカ-チタニア系ゲル膜のマイクロパターニングを行った。さらに、この膜を温水処理すると膜表面にアナターゼナノ微結晶生成することがわかった。これによって、紫外光を照射した任意の場所にアナターゼ微結晶を析出させる手法を開発することができた。
2.ゾルーゲル法によって作製したシリカ-チタニア系ゲル膜を温水処理すると、アナターゼ微結晶が析出することをすでに見出しているが、この温水処理時に基板に振動を与えることによって、層状構造を持つチタン酸ナノシート微結晶が析出することを見出した。このシート状結晶は、表面に微細な凹凸が形成され、水に対する接触角が5度以下の超親水性を示した。この超親水性は、暗所に2000時間保持した後も維持することを確認した。一方で、この表面をフルオロアルキルシランによって撥水処理を行うと、超撥水性を示すことがわかった。
3.アルミナゲル薄膜を温水処理することによって得られる、数十nmの微細な凹凸形状を持つ花弁状アルミナ薄膜は、非常に低い光反射率を示すことがわかった。膜厚および温水処理時間を制御することによって、通常の多孔質膜を利用した低反射コーティング膜に比べて、可視光から近赤外領域にわたる非常に幅広い波長領域で、低い反射率(例えば、反射率0.5%以下)を示すことがわかった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 忠永清治: "O_2およびH_2Oハイバリア性有機-無機ハイブリツドコーテイング膜(総説)"セラミックス. 37・[3]. 165-168 (2002)
-
[Publications] A.Matsuda: "Photocatalytic Micropatterning of Transparent Ethylsilsesquioxane-Titania Hybrid Films"Chem.Mater.. 14・[6]. 2693-2700 (2002)
-
[Publications] K.Tadanaga: "Formation of Convexly Shaped Silica Micropatterns on Sol-Gel Derived Films Using a Difference in Surface Free Energy"Glass Technol.. 43C. 275-277 (2002)
-
[Publications] K.Tadanaga: "Micropatterning of Inorganic-Organic Hybrid Coating Films from Various Tri-Functional Silicon Alkoxides with a Double Bond in Their Organic Components"J.Sol-Gel Sci.Tech.. 26・[1]. 431-434 (2003)
-
[Publications] A.Matsuda: "Evaluation of Photocatalytic Activity of Transparent Anatase Nanocrystals-Dispersed Silica Films Prepared by the Sol-Gel Process with Hot Water Treatment"J.Sol-Gel Sci.Tech.. 26・[1]. 517-521 (2003)
-
[Publications] K.Tadanaga: "Formation of Superhydrophobic Alumina Coating Films with High Transparency on Polymer Substrates by the Sol-Gel Method"J.Sol-Gel Sci.Tech.. 26・[1]. 705-708 (2003)
