2003 Fiscal Year Annual Research Report
繊維強化有機ハイブリッド系の構造リストラクチュアリングと低周波音吸収特性
Project/Area Number |
13450276
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
住田 雅夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30016654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富永 洋一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30323786)
浅井 茂雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (80212463)
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Keywords | 有機ハイブリッド材料 / 気相成長炭素繊維 / 低融点結晶 / 吸音特性 / 低周波音 |
Research Abstract |
高分子マトリクスとして塩素化ポリエチレン(CPE)、有機低分子としてスルフェンアミド系フィラ(DBS)からなる有機ハイブリッド材料(CPE/DBS)における熱処理条件の変化に伴うDBSリッチドメイン領域の構造の再構築と吸音特性の関連性及びこの有機ハイブリッド系に気相成長炭素繊維(VGCF)を添加した繊維強化有機ハイブリッド材料の制振特性について検討し、次の結果を得た。CPE/DBS(50/50)の試料を50℃で結晶化すると、未処理試料で得られている500Hzと600Hz付近の2つの吸音ピークの他に300Hz付近の低周波領域に新たな吸音ピーク(P1)が観測される。DSC測定から、生成した結晶には熱安定性の異なる2種類の結晶(低融点結晶、高融点結晶)が存在し、POMおよびSEM観察から低融点結晶はマトリクスと相互作用した微細・粗雑な結晶であり、高融点結晶は針状結晶の集合体であることがわかった。低周波領域の吸音特性が低融点結晶の生成が寄与しており、低融点結晶量の増加に伴い吸収周波数は増大し吸音量は増加することが明らかとなった。CPE/DBS系有機ハイブリッドにVGCFを添加すると損失弾性率E"が増大しDBSリッチドメインを形成するDBS充填量のしきい値が減少しVGCFの添加により制振性能の大幅な向上が見られた。これは、CPE/DBS系有機ハイブリッドにVGCFを添加することによりVGCFを中心にフィラーリッチドメインを促進的に形成する効果が加わりVGCF無添加の場合に比べてDBSリッチドメインの形成が容易になったためと考えられる。以上の結果より、CPE/DBS/VGCFの材料構成と、その加工条件を解析することにより、低周波領域の吸音特性と高い制振性を実現でき、これに関連する相構造や結晶構造への知見が得られ、今後の有機ハイブリッド系音響・制振材料の調に有効な指針が得られた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 赤坂修一, 富永洋一, 浅井茂雄, 住田雅夫: "有機ハイブリッド材料の低周波吸音特性に及ぼす熱処理の影響"材料の科学と工学. 40. 27-29 (2003)
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[Publications] Hajime KANEKO, Ikuo KANEKO, Masao SUMITA: "The relation between electrical dynamic and acoustic properties of the Nylon6/BaTiO3/CF composites"Proceedings of the 8^<th> Japan International SAMPE Symposium Tokyo Big Sight, Tokyo, Japan November18-21, 2003. 1. 111-114 (2003)
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[Publications] Tetsuya ITO, Tadashi MIURA, Masao, SUMITA: "Novel damping materials of organic hybrid independent of the mass low"Proceedings of the 8^<th> Japan International SAMPE Symposium Tokyo Big Sight, Tokyo, Japan November18-21, 2003. 1. 27-30 (2003)
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[Publications] H.KANEKO, K.INOUE, Y.TOMINAGA, S.ASAI, M.SUMITA: "Damping performance of polymer blend/organic filler hybrid materials with selective compatibility"Materials Letters. 52・1-2. 96-99 (2002)