2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450278
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山下 祐彦 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20032930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 邦生 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (40274013)
島村 薫 岡山大学, 工学部, 教授 (80013506)
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Keywords | 生分解性高分子 / ポリグリコール酸 / 高分子複合材料 / ウィスカー / 重合結晶化 / 開環重合 / 高次構造 / ポリエステル |
Research Abstract |
1.背景:生分解性高分子の力学特性を向上させる方法として,生分解性を持つ高分子補強材と生分解性高分子との複合化が考えられる。本研究では,生分解性補強材としてポリグリコール酸(PGA)のウィスカー化について,グリコリドの溶液開環重合結晶化法により検討した。 2.実験:重合方法(I):窒素気流下で円筒型重合管に,1,2-dichloroethane,または脱水したtolueneとグリコリドを入れて加熱,攪拌して均一にした後,開始剤であるBF3エーテラートを入れて80℃で静置した。重合方法(II):重合方法(I)と同じようにして溶媒と高濃度のグリコリドを仕込み,室温でBF3エーテラートを入れ,80℃まで昇温した。そのまま80℃に静置し重合を行った。 3.結果及び考察:重合方法(I)では板状や塊状の結晶しか得られなかった。そこで,重合方法(II)として,グリコリドがtoluene中で固相と液相とに共存した不均一な系から昇温して重合を行った。その結果,樹枝状結晶や形態の不明確な塊状物と共に,ウィスカーが生成した。この系では重合の初期段階でグリコリドが固体の状態で溶け残っているため,モノマーの高い過飽和度を一定に保つことができ,針状結晶が生成したと考えられる。針状結晶のサイズは調製条件により異なり,その平均長は0.8〜61im,幅は0.2〜1.2imであった。分子鎖は,針状結晶の長軸方向に配向していることが分かった。 4.結論:固-液相中でのグリコリドの重合により,PGAウィスカーを得ることができた。ウィスカー生成率の向上が次年度の課題である。
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