2001 Fiscal Year Annual Research Report
膨張化グラファイトを基材とするナノ積層構造グラファイト複合材料の合成
Project/Area Number |
13450279
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金野 英隆 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50002316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幅崎 浩樹 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50208568)
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Keywords | 膨張化グラファイト / 金属 / グラファイト複合材料 / セラミックス / グラファイト複合材料 / 炭化硅素 / 炭化ホウ素 / 耐酸化性炭素材料 / ナノ積層材料 |
Research Abstract |
本研究は,油成分に対して非常に大きな収着能を持つ膨張化グラファイトに着目して,これに有機溶媒に溶解した金属錯体,液状有機珪素化合物,有機ホウ酸塩錯体溶液などを収着したものを大気中低温で熱処理して前駆体とし,それらを不活性雰囲気中で熱処理することにより金属/グラファイト,セラミックス/グラファイトなどの複合材料および炭化ケイ素(SiC),炭化ホウ素(B_4C)などを合成することを目的とする. 今年度は,ケイ素/グラファイト複合材料および炭化ケイ素の合成を目的として詳細な検討を行った.合成プロセスは,(1)2種類の低分子量液状有機珪素化合物と触媒をサイズの異なる膨張化グラファイトに収着し,これを大気中200〜300℃で熱処理して前駆体とし,(2)それをアルゴンまたは窒素雰囲気中800〜1600℃で時間を変えて熱処理する,というものである.その結果,1hの熱処理の場合,1400℃以下ではC/Si/O複合材料が得られ,1500℃以上でβ-SiCとなったが,結晶性の良いβ-SiCの合成には1500℃,5hまたは1600℃,1hの熱処理が必要であった.生成物は1μm以下の微粒子で,用いた膨張化グラファイトのサイズには関係しないことがわかった.通常のシリコン樹脂を溶媒に溶かして用いても,高温での熱処理で分解気化してしまい,使用できない.本法によれば,大気中での低温熱処理と不活性雰囲気における高温熱処理以外の特別な過程を必要とせずに,微粒子状炭化ケイ素が合成でき,原材料の入手は容易でしかも安価である.現在の収率は30%程度であるが,これが向上すれば実用化は可能と考えられる.
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Research Products
(1 results)