2001 Fiscal Year Annual Research Report
超高温用金属ダイシリサイドの高温酸化モデル確立のためのデータベースの構築
Project/Area Number |
13450289
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
黒川 一哉 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00161779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大笹 憲一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90111153)
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Keywords | 耐酸化性超高温材料 / 金属ダイシリサイド / 高温酸化様式 / シリカ皮膜 / 混合酸化物皮膜 / 金属酸化物蒸気圧 |
Research Abstract |
本研究の目的は,将来の耐酸化性超高温材料として期待されている金属ダイシリサイドを酸化様式の観点から分類し,最終的にデータベースに基づいた酸化モデルを構築することにある。本年度は、特に金属酸化物の蒸発が強く関与してシリカ皮膜を形成する金属ダイシリサイド(MoSi_2, WSi_2, VSi_2, ReSi_<1.75>)の酸化挙動を明かにするための系統的な実験を行った。得られた主な結果は以下のとおりである。 (1)金属と酸素の親和力がSiのそれより小さい金属ダイシリサイドの酸化挙動:MoSi_2やWSi_2は高温度領域できわめて優れた耐酸化性を示すが,特にWSi_2では広い低温度領域で起きる同時酸化の抑制が必要となる。また,ReSi_<1.75>では低温度から高温度に渡る広い温度領域でSiO_2皮膜を形成するが,緻密な保護性皮膜となるのは1273K以上の温度である。 (2)金属と酸素の親和力がSiのそれより大きい金属ダイシリサイドの酸化挙動:VSi_2は,1173K以上では酸化初期におけるV酸化物の蒸発により結果的にSiO_2単独皮膜を形成するが,それより低い温度域においても混合酸化物皮膜形成ながら優れた耐酸化性を示す。 (3)シリカ皮膜形成に必要な金属酸化物蒸気圧:上記結果に基づいて,シリカ単独皮膜形成に必要な金属酸化物の蒸気圧は10Pa以上であり,そのために必要な温度は,673K(ReSi_<1.75>),1073K(MoSi_2),1173K(VSi_2),1573K(WSi_2)と求められた。 次年度は、さらにSiの選択酸化型および金属とSiの同時酸化型金属ダイシリサイドの酸化挙動を明かにするための実験を行うとともに,拡散および熱力学データを基に酸化モデルの基礎を確立する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 黒川 一哉: "耐酸化性コーティング膜としてのシリサイド"プラズマ応用科学. 9巻・1号. 3-8 (2001)
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[Publications] K. Kurokawa: "Microstructures of oxide scales formed MoSi_2 at 773K"Materials at High Temperatures. 18巻・別冊. 357-362 (2001)
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[Publications] K. Kurokawa: "Microstructure and Oxidation Behavior of ReSi_<1.75> Synthesized by Spark Plasma Sintering"Vacuum. (印刷中). (2002)