2001 Fiscal Year Annual Research Report
鉄鋼さびのメソ構造と反応性に関するコロイド化学的研究
Project/Area Number |
13450296
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
石川 達雄 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30009055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安川 あけみ 大阪教育大学, 教育学部, 助手 (70243285)
神鳥 和彦 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (70177765)
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Keywords | 鉄鋼 / さび / α-FeOOH / β-FeOOH / γ-FeOOH / Fe_3O_4 / 非晶失酸化物 / 耐候性鋼 |
Research Abstract |
1)さび粒子の生成過程 鉄鋼さびの成分であるα-FeOOH、β-FeOOH、γ-FeOOH、Fe_3O_4および非晶質酸化物を、種々の鉄塩水溶液から調製した。α-FeOOHと非晶質酸化物はFe(III)の水溶液のアルカリ加水分解で、β-FeOOHは塩化鉄(III)水溶液の加水分解.で、γ-FeOOHとFe_3O_4はFe(II)水溶液の空気酸化によって調製した。得られたさび粒子の組成、構造および物性を、今年度購入した熱測定表面解析システムを含む種々の方法で調べた。各さび粒子の生成条件が異なり、pH12以上で針状α-FeOOH粒子が、pH2付近で紡錘形β-FeOOHが、pH4.5-6.5で板状γ-FeOOH粒子が、pH8.5-10.5で球状Fe_3O_4粒子が生成した。非晶質酸化物は、結晶化を防ぐ液体窒素凍結法により合成できた。得られた非晶質粒子は、ナノ粒子であり、室温で超常磁性を示した。 2)合金元素の影響 無塗装で使用する耐候性鋼材には、耐食性を向上させるために、Cu、Cr、Niなどの合金元素が添加されている。これらの金属元素の働きを明らかにし、新しい耐鋼性向上元素を探索するため、上記の各さび成分の生成に及ぼす合金元素イオンの影響を調べた。種々の金属イオンの存在下で、1)の方法でさび粒子を調製し、得られたさびを詳しく調べたところ、さび粒子と金属イオンの種類にとって影響が異なり、例えば、Ti(IV)がβ-FeOOHの生成に著しく影響した。
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