2002 Fiscal Year Annual Research Report
水素析出抑制添加剤を利用した水溶液からの活性金属合金の電析
Project/Area Number |
13450297
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福島 久哲 九州大学, 工学研究院, 教授 (50038113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 治男 九州大学, 工学研究院, 助手 (40294897)
大上 悟 九州大学, 工学研究院, 助手 (90264085)
中野 博昭 九州大学, 工学研究院, 助教授 (70325504)
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Keywords | 電析物 / 第4級アンモニウム塩 / 亜鉛電析 / 加水分解反応 / アルミニウム / 水素析出量 / 電流効率 / TEM |
Research Abstract |
Zn^<2+>,Al^<3+>および第4級アンモニウム塩を含む硫酸塩水溶液において電析を行なうと,陰極での水素析出によるAl^<3+>の加水分解反応が生じて,電析物中にAl元素が析出することが判明した。電析物中のAl元素の含有率は,界面活性剤である第4級アンモニウム塩によりZn電析が抑制されるほど高くなることが分かった。これは,Zn電析を抑制することにより水素析出量が増加し,Al^<3+>が加水分解し易くなったためと考えられる。また,Al元素の共析が顕著になるのは,Znの電流効率が30%以下の場合であった。これは,Al元素が共析するためには,陰極界面でAl(OH)_3が生成されるだけではなく,Al元素が共析する際の競合反応となるZnの析出反応自体が抑制される必要があることを示唆している。Zn電析を大きく抑制し,Al元素を共析させ易い界面活性剤としては特に塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウムが有効であった。X線回折図形より,電析膜中のAl元素は,θ-Al_2O_3として存在することがわかった。陰極表面での加水分解により形成されるAl(OH)_3が電析過程で更に脱水してAl_2O_3となり電析膜中に取り込まれると考えられる。また,TEMを用いた構造観察の結果,電析膜中のAl_2O_3の結晶粒はほぼ全面に均一に共析しており,その大きさは10nm程度とかなり微細な状態であることが確認された。本研究の加水分解反応を利用したZn-Al系電析は,非懸濁溶液からの一種の分散めっきであり,分散粒子を10nm程度のサイズで微細に共析させることができた。また,溶液中に分散粒子が存在しないため,粒子の凝集,配管等への目詰まり,廃液処理など従来の分散めっき法における製造上の問題点も解決することが可能である。
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Research Products
(1 results)