2004 Fiscal Year Annual Research Report
電解析出法による高強度ナノ結晶合金の開発とその塑性変形挙動
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13450298
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山崎 徹 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30137252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 和孝 宇部工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (10156862)
望月 孝晏 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 教授 (80101278)
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Keywords | Ni-W合金 / 電解析出法 / ナノ結晶合金 / 塑性変形 / 熱可塑性 / 延性-脆性遷移温度 / 機械的性質 |
Research Abstract |
昨年度までの研究において、Ni-Wナノ結晶合金は明瞭な延性-脆性遷移温度(DBTT)を有しており、DBTTが室温以下の条件で、応力と加熱を加えると熱可塑性を生じて、これら材料の高強度・高靱性を維持したままで精密な成形加工ができることを示した。一方、ナノ結晶合金は、加工硬化性を示さず、引張変形を加えると変形が局所的に生じて、僅かな伸びで破断する欠点を有する。 本年度は、これらナノ結晶合金に大きな塑性変形能を付与させることを目的として、ナノ結晶組織中に電解析出法とフォトリソグラフィーによるマイクロ成形加工技術とを組み合わせて,微細な穴を意図的に配置することにより塑性変形開始点を分散させた組織を作製し,引張強度を測定した.引張試験には歪ゲージを使用し,試験後は顕微鏡を用いた表面観察を行った. ナノ結晶Ni-W電析合金は,明瞭な延性-脆性遷移温度(DBTT)を有し,180℃以下の加熱処理においてDBTTは室温以下で飽和した.この時,本材料は脆化することなく熱可塑性を示し,成形加工を行うことが可能であった.また,本合金は熱処理中に収縮挙動を示し,これは結晶粒成長に伴う粒界体積率の減少によるものと考えられた.さらに,ナノ結晶Ni-16at.%W合金中に,直径0.02および0.03mmの微小な穴もしくは高分子レジストを0.10mmの間隔で緻密に配列させた混合組織を作製し,引張試験を行った.その結果、緻密な穴を配列させることにより,引張破断強度は穴のない試料での1700MPaに比べて2200MPaまで上昇し、極めて高い引張破断強度を示した。さらに、破断歪量も1.0%から1.2%へと増加した。穴のないNi-W合金のみの試料では引張変形時の塑性変形が局所的に限定して生じたが,合金中に微細な穴を並べた試料においては,穴の周辺にいくつものすべり線が観察されたことから試験片全体に局所降伏が生じ、塑性変形が分散されたために,高強度を示したものと考えた.
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Research Products
(4 results)