2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450300
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
大塚 正久 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (20013732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 裕 ヤマハ発動機(株), 基盤技術研究所, 主任技師
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Keywords | FSW / 摩擦攪拌接合 / アルミニウム合金 / ミクロ組織 / 結晶粒径 / 機械的性質 / 超塑性 |
Research Abstract |
ADC12アルミニウム合金ダイカストに摩擦攪拌処理を適用し,組織微細化を図り,超塑性発現の可能性を探った. 摩擦攪拌処理は立てフライスを使用し,工具は直接材料を攪拌するM5の順ねじが施したProbe部と,材料の流出を抑える逆テーパ付き肩部から成る.摩擦攪拌処理条件は,回転数985rpm,送り速度88mm/minである.引張試験片は接合方向に平行にゲージ長さ4mm,幅2mm,厚さ1mmに機械加工し表面を鏡面とした.高温引張試験は大気中,試験温度653〜813K,初期ひずみ速度1.0×10^<-3>〜1.0×10^<-1>s^<-1>で行った.示差走査熱量計(DSC)によるADC12の融点は842Kである.組織観察は主にSEMにより行った. 初期ひずみ速度1×10^<-3>s^<-1>,温度743Kおよび773Kにいて,温度743Kではピーク応力を示した後に変形応力が低下する加工軟化型の変形曲線を呈し,伸びは186%を示す.他方,温度773Kではピーク応力を示した後,比較的緩やかに変形応力が低下し,超塑性変形に見られる定常状態的な変形曲線を描き,伸びは240%に達する. ひずみ速度1×10^<-3>s^<-1>において,温度の上昇とともに引張強さ,降伏強さはおよそ3割から4割程度減少し,温度773Kにおいては,引張強さは2.1MPa,降伏強さは1.1MPaとなる. 初期ひずみ速度1×10^<-3>s^<-1>において,温度の上昇とともに破断伸びが増加する傾向がある.温度773Kにおける破断伸びが200%を超えた.これは摩擦攪拌処理部の組織が等軸かつ微細な結晶粒を有することに起因する. 高温で破断後の表面および破面写真見ると,超塑性変形のメカニズムである粒界すべりに特有のストライエーションバンドが確認され,粒界割れとディンプルの混在した破壊を呈した.本合金は,粒界すべりが主たる変形機構とする超塑性を示したものと考えられる.
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