2001 Fiscal Year Annual Research Report
二液相分離過程を伴うベナール対流のパターン形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
13450312
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塚田 隆夫 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (10171969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正樹 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (90312678)
寶澤 光紀 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (70005338)
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Keywords | 相分離 / ベナール対流 / イソ酪酸-水混合液 / パターン形成 / 位相差顕微鏡 / 干渉顕微鏡 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、二液相分離過程を伴うレーリー・ベナール対流の詳細を明らかにすることである。すなわち、イソ酪酸-水混合液からなる薄い液膜層を下方から加熱した(液膜層上面温度(T_t)<臨界温度(T_c)<液膜層下面温度(T_b)の条件で)際に、液膜層内に形成される対流パターン及び相分離構造に関し、干渉顕微鏡を用いた温度場、濃度場のin-situ観察と数値シミュレーションを通して、操作条件(例えば、液膜層上下面温度差△T等)⇔マクロな場(流動、温度、濃度場)⇔相分離構造の相関を明らかにするとともに、各種条件におけるパターン形成メカニズムを解明する。 本年度は、以下の点を検討した。 1)実験的検討 ・既存の位相差顕微鏡を利用した対流並びに相分離パターン観察装置を使用し、セル状パターン(相分離を伴う場合に特徴的な多角形セル内部に一つの液滴を含むパターンが規則的に配列した構造)の形成時間に及ぼす△Tの影響を検討した。その結果、△Tの増加とともに形成時間が増加することがわかった。また、位相差顕微鏡の焦点位置を厚さ方向に移動することにより、液滴の位置、並びに周囲の流動場をある程度把握することができた。なお、以上の結果は、液滴界面に沿ったマランゴニ対流がパターン形成に寄与している可能性を示唆した。 ・二液相分離過程を伴うベナール対流系のパターン形成時の液膜層内温度場並びに濃度場を詳細に観察するために、対流観察用実験セルと干渉顕微鏡からなる装置の製作を行った。ここで、実験セルは、液膜層上面並びに下面温度をペルチェ素子により独立に制御可能とした。なお、装置の性能評価を目的として、均一系のレーリー・ベナール対流の観察実験を行った。 2)理論的検討 ・上記実験結果を説明するための手段として、"Level set Method"に基づくシミュレーションコードの開発を行った。
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