2001 Fiscal Year Annual Research Report
硫化物化によるヘテロ廃棄物の重金属資源回生型無害化処理
Project/Area Number |
13450316
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松田 仁樹 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 教授 (80115633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 祥二 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 助手 (00303678)
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Keywords | 重金属含有廃棄物 / 都市ゴミ溶融飛灰 / 硫化物化 / 硫黄 / アスファルト / 水酸化ナトリウム |
Research Abstract |
本研究の初年度にあたる平成13年度においては、重金属含有廃棄物として都市ゴミ溶融飛灰を選択し,これを用いて粉末硫黄による固-固反応系重金属硫化物化に関する検討を行った.その結果,130℃に加熱した条件で硫黄,水酸化ナトリウムと共に都市ゴミ溶融飛灰を混練することで重金属の硫化物化が確認された。さらに、処理後の廃棄物が環境庁告示13号溶出試験による重金属溶出基準を満足するためには,固化材としてアスファルトが有効であり、融解したアスファルト中で混練を行うことで重金属硫化物化ならびに固化が同時に図られることが明らかとなった。 廃棄物に含まれる可能性がある鉛,亜鉛,銅,カドミウムなどの塩化物および酸化物試薬との硫黄の混練では,直接硫化物化が認められなかったため,硫黄の反応性の向上を目的として水酸化ナトリウム添加及び混練場の加熱を試みた.この結果、硫黄の融点(119℃)以上では、硫黄と水酸化ナトリウムが反応して生成する硫化ナトリウムおよび多硫化ナトリウムが鉛,銅,カドミウムを硫化物化することが認められた.一方、亜鉛については,同条件下での硫化物生成は認められなかったが,生成物に水を加えた際に白色沈澱が認められたため、本法により不溶化が図られることが明かとなった. 次に重金属を含有する溶融飛灰と硫黄,水酸化ナトリウムを試作固-固反応装置(混練機型回分式反応器)を用いて混練を行い,生成物の環境庁告示13号溶出試験による重金属溶出評価を行った.この結果,硫黄と水酸化ナトリウムの添加のみでは混練が困難であ留ことが明らかとなった.さらに生成した重金属硫化物の粒径が小さいため,溶出試験の固液分離において濾紙をすり抜ける現象が確認された.一方で,混練の容易化ならびに処理物の固化を目的としてアスファルトを加えて混練したところ,溶出基準を達成することが確認された.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kayo SAWADA, Hitoki MATSUDA, Makoto MIZUTANI: "Immobilization of Lead Compounds in Fly Ash by Mixing with Asphalt, Sulfur and Sodium Hydroxide"Journal of Chemical Engineering of Japan. Vol.34, No.7. 878-883 (2001)