2002 Fiscal Year Annual Research Report
オゾン誘起グラフト重合法を用いた生理活性物質分離用クロマト分離材の高機能化
Project/Area Number |
13450320
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
北村 吉朗 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (90032945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澤 秀和 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (20244262)
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Keywords | オゾン処理 / グラフト重合 / 高分子微粒子 / 高分子ミクロスフェア / 表面処理 / メタクリル酸グリシジル / 操作条件 / 微粒子調製プロセス |
Research Abstract |
ドコサヘキサエン酸(DHA)などの高度不飽和脂肪酸は、医薬品や健康食品の分野で注目を集めている。これまでにクロマト分離による高度不飽和脂肪酸の分離プロセスを目指した充填剤として、銀イオンを固定化した高分子微粒子を開発することに成功し、これらの研究を踏まえ、本課題では、新規なオゾン誘起グラフト重合によって10μm〜100μm程度の単分散ポリスチレン微粒子表面にポリGMA層を形成させた新規な高分子微粒子の調製を計画した。 本申請研究の下で、昨年度、オゾン処理装置を開発し、懸濁重合法により調製した架橋スチレン微粒子の処理を行い、架橋ポリスチレン微粒子表面上にポリメタクリル酸グリシジル層が形成する条件を見いだした。本年度は、昨年度開発したオゾン処理装置を用い、メタクリル酸グリシジルのオゾン誘起グラフト重合に及ぼす処理条件の検討を、SEM観察およびFI-TR測定から行った。 その結果、メタクリル酸グリシジルのオゾン誘起グラフト重合に及ぼす操作条件では、オゾン処理時間、グラフト時間、グラフト重合温度の影響が最も顕著に表れた。オゾン処理時間、グラフト時間とも、時間の増大に伴い、グラフト層の形成は促進した。一方、グラフト重合に用いる溶媒(メタノール、トルエン)の影響はなく、さらに、グラフト重合時のメタクリル酸グリシジル濃度は5vol%程度で十分なグラフト層の形成を確認できた。さらに、グラフト重合によって架橋ポリスチレン微粒子表面上にポリメタクリル酸グリシジル層の形成が生起するとともに、副反応によって溶液中にポリメタクリル酸グリシジルホモポリマーによる高分子ミクロスフェアの形成が起こった。今後、副反応として生起する上述の高分子ミクロスフェア除去方法の確立が課題である。
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