2001 Fiscal Year Annual Research Report
複合金属酸化物触媒の新規かつ簡便合成法の開発に関する研究
Project/Area Number |
13450335
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
寺岡 靖剛 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (70163904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 一成 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (80322296)
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Keywords | 複合金属酸化物触媒 / ペロブスカイト型酸化物 / セリア-ジルコニア固溶体 / 高表面積酸化物 / 逆均一沈殿法 |
Research Abstract |
本研究は,逆均一沈殿法により種々の金属酸化物触媒を合成し,得られた酸化物のキャラクタリゼーション,触媒活性評価を通して,新規かつ簡便な複合金属酸化物触媒の合成法としての逆均一沈殿法の特徴や可能性を明らかにすることを目的としている.La_<1-x>A_xMnO_3(A=Sr, Ca)のペロブスカイト型酸化物,セリアージルコニア固溶体(Zr_<1-x>Ce_xO_2)について下記の結果を得た. I.ペロブスカイト型酸化物 1.強アルカリ性のアンモニア水溶液中にLa, Mn(場合によってはSr, Ca)の混合水溶液を滴下し,得られた金属水酸化物前駆体の沈殿を空気中,約650℃で焼成することにより単一相のペロブスカイト型酸化物が得られ,従来法より合成温度を約200℃低減することができた. 2.SrやCaで置換したLa_<1-x>A_xMnO_3(A=Sr, Ca)において,置換量が0.4(Ca置換系),0.6(Sr置換系)を越えると不純物相の副生が認められ,逆均一沈殿法では置換量が少ないときのみ単一相の低温合成が可能であることがわかった. 3.低温合成の結果として高表面積酸化物が得られたが,焼成温度の上昇とともに表面積は低下し,850℃焼成では従来法で合成した酸化物と同等の表面積となった.さらにアンモニア水溶液中へのN(CH_4)_4^+などのアルキルアンモニウムの添加がさらなる高表面積化に有効であることがわかった. 4.逆均一沈殿法で合成したペロブスカイトの表面積当りのプロパン完全酸化活性は焼成温度によらずほぼ一定で,高表面積化により重量あたりで高活性の触媒を得ることができた. II.セリアージルコニア固溶体 1.逆均一沈殿法によりセリア-ジルコニア固溶体の合成も可能で,低温合成したものは従来法によるものより高表面積を示した. 2.従来法での生成物は立方晶と正方晶系の酸化物の混合物であるのに対し,逆均一沈殿法では立方晶系の単一相の酸化物が得られ,組成均一性の高い酸化物の合成に有効であることがわかった.
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Research Products
(1 results)