2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450346
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
原口 紘き 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70114618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤森 英治 名古屋大学, 廃棄物処理施設, 助手 (30291412)
伊藤 彰英 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60273265)
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Keywords | 化学形態別分析 / HPLC / ICP-MS / HPLC / ICP-AES / 微量金属 / 血清 / 天然水 / 界面活性剤被覆ODSカラム / ポリアクリルアミド電気泳動 |
Research Abstract |
1)化学種形態別分析システムの試作 従来使用してきたHPLC(SEC;分子量分画可能なサイズ排除クロマトグラフ)/ICP-MS/ICP-AESに加えて、界面活性剤被覆ODSカラムを用いる浸透制限型HPLCとICP-MSを結合した測定システムを開発した。本システムにより、血清中のタンパク質などの高分子成分と無機イオンやアミノ酸などの低分子成分の分離とそれぞれの化学種中の微量金属の検出を同時に行うことが可能になった。 さらに、本システムを制がん剤の一種であるシスプラチンの血清中での化学形態変化の測定に応用した。この結果、シスプラチンが薬剤として血清中に投与された場合、投与直後から化学形態が変化しはじめ、24時間以内にシスプラチンのほとんどがアルブミンと結合して薬剤としての機能が阻害されることが明らかになった。 2)天然水中微量金属の化学形態別分析法の確立 ICP-AESとICP-MSを用いて、天然水中微量金属の溶存成分及び粒径0.05-10μmまでの様々なサイズの粒子成分中での存在分布を明らかにした。また、溶存成分中の生物起源有機物結合化学種の分析を行うために、従来使用してきたSEC/UV/ICP-MSと本研究費で購入したポリアクリルアミド電気泳動を利用して、天然水中のタンパク質と金属元素の相互作用の解明を目的に研究を行った。現在までに、天然水中の高分子成分中に分子量73000Daと127000Daのタンパク質が存在することが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 岩田聖子, 皆本和亮, 藤森英治, 千葉光一, 原口紘〓: "産業廃棄物焼却飛灰標準試料の作成と評価"分析化学. 50(12). 837-844 (2001)
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[Publications] E. Fujimori, K. Ichikawa, R. Shiozawa, K. Asai, K. Chiba, H.Haraguchi: "Multielement Determination and Distributions of Major-to-Ultratrace Elements in Industrial Waste Incineration Bottom Ash as Studied by ICP-AES and ICP-MS"The Bulletin of Chemical Society of Japan. 74(11). 2045-2051 (2001)
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[Publications] 境 剛史, 中川光司, 紀 杉, 伊藤彰英, 原口紘〓: "深層海水塩の多元素定量分析"Biomedical Research on Trace Elements. 12(4). 239-240 (2001)
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[Publications] 山田 浩, 紀 杉, 伊藤彰英, 千葉光一, 原口紘〓: "キレート樹脂濃縮を併用した多元素同位体希釈/ICP-MSによる河川水中Cu, Cd, Pbの定量"分析化学. 50(6). 433-439 (2001)
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[Publications] 岩田聖子, 藤森英治, 千葉光一, 原口紘〓: "ICP-MSによる産業廃棄物焼却飛灰中希土類元素の定量と希土パターンの特徴"分析化学. 50(6). 419-425 (2001)
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[Publications] 原口 紘〓(分担執筆): "機器分析実験"東京化学同人. 6 (2002)