2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13450347
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今坂 藤太郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30127980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣川 昭二 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (80156702)
平川 靖之 広島大学, 医学部・総合薬学科, 講師 (80238344)
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Keywords | ダイオキシン / 超音速分子ジェット法 / 多光子イオン化法 / 分子軌道計算 / 短パルスレーザー / データベース / 励起寿命測定 / レーザー蒸発試料導入法 |
Research Abstract |
・波長可変ピコ秒レーザーシステムの構築を目的として分布帰還型色素レーザーを開発し、非線形光学結晶を用いて紫外レーザーを発生させた。このレーザーを用いて、ポンプ・プローブ法に基づく励起寿命の測定装置を開発し、ダイオキシン類の前駆体であるクロロベンゼン・ジクロロベンゼンの励起寿命を測定した。また、このレーザーを用いて、多塩素置換のジベンゾフランの蛍光寿命を測定することにも成功した。さらに、このレーザーシステムにクエンチング方式を併用し、更なる短パルス化を達成した。 ・スーパーコンピューター・サーバを用いる分子軌道のAb Initio計算により、ダイオキシン類の前駆体であるクロロフェノール類の励起状態及び基底状態のエネルギー、波動関数、振動エネルギーなどを計算した。またクロロフェノール類の多光子イオン化スペクトルを測定し、共鳴波長等のデータベースを構築した。ダイオキシン類濃度と前駆体濃度には相関があるため、この結果より、焼却炉から排出されるダイオキシン類濃度のリアルタイム予測が可能となった。 ・超音速分子ジェット法の試料導入法として、試料を一旦溶液にしてキャピラリーから真空中に導入・固化し、これにレーザーを照射して蒸発させるレーザー蒸発試料導入法を開発し、ダイオキシン類であるジベンゾフランの測定を行った。この方式により、試料をイオン化領域に効率よく導入でき、不要な試料を回収できるため、ダイオキシン類などの毒性の高い試料を極微量で測定することが可能となった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Noriyoshi YOSHIDA, Yasuyuki HIRAKAWA, Totaro IMASAKA: "Development of Tunable Picosecond Dye Laser for Multiphoton Ionization of Dioxin Precursors in Supersonic Jet/Time-of-Flight Mass Spectrometry"Analytical Chemistry. 73(18). 4417-4421 (2001)
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[Publications] Shoji HIROKAWA, Tomoko IMASAKA, Totaro IMASAKA: "S0 and S1 States of Monochlorophenols : Ab Initio CASSCF MO Study"The Journal of Physical Chemistry. 105(40). 9252-9257 (2001)
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[Publications] 今坂藤太郎: "超音速分子ジェット分光分析"分析化学. 50(1). 3-30 (2001)
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[Publications] 今坂藤太郎: "超音速分子ジェット/レーザー多光子イオン化質量分析法によるプラスチックス熱分解生成物及びダイオキシン化合物の分析"真空. 44(1). 16-22 (2001)
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[Publications] 今坂藤太郎: "ダイオキシンのオンライン・リアルタイム計測装置の開発"九州大学研究紹介. 18. 107 (2001)
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[Publications] N.TAKEYASU, T.DEGUCHI, M.TSUTSUMIKAWA, J.MATSUMOTO, T.IMASAKA: "A Tunable Picosecond Dye Laser for Use in Dioxin Analyis"Analytical Sciences. 18(発表予定). (2002)