2001 Fiscal Year Annual Research Report
メソポアおよび高次構造制御による超高感度半導体ガスセンサの設計
Project/Area Number |
13450354
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山添 昇 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (40037817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 剛 九州大学, 総合理工学研究院, 助手 (40284567)
島ノ江 憲剛 九州大学, 総合理工学研究院, 助教授 (10274531)
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Keywords | 半導体ガスセンサ / メソポア / マクロポア / 一次粒子径 / 二次粒子径 / 拡散方程式 / 高次構造 / 酸化スズ |
Research Abstract |
本年度は、反応拡散方程式を用いて半導体ガスセンサの応答特性を解析するとともに、メソポア構造およびマクロポア構造の最適化の検討をそれぞれ並行して行ない、それぞれの検討から得られる知見を交換・統合してメソポアおよび高次構造を可能にする手法の開発を行なうことを目的とした。 1.反応拡散方程式に基づくセンサ応答特性の解析 反応拡散方程式を半導体ガスセンサの解析に適用し、次の知見を得た。 (1)薄膜型センサの応答感度は、膜厚(L)、拡散係数(D)および反応速度定数(k)に大きく依存する。 (2)高感度化には、薄膜化およびガス拡散に有利なラージポアの導入が有効である。 (3)上記2つの知見は、焼結体型センサにも適用可能である。 2.メソポア構造(1次粒子径)の制御とメソポアをもつ2次粒子径の制御 これまで、水熱処理酸化スズゾルは、四塩化スズを炭酸水素アンモニウムを用いて加水分解して得たゲルによってのみ調製可能であったが、今回スズ酸ナトリウムを出発原料に用いて硝酸で処理することによって得たゲルでも水熱処理によってゾル化できることを見出した。しかも、スズ酸ナトリウムを出発原料に用いれば、粒子径を従来法の半分(3nm)程度にできることを見出し、焼結過程での粒子成長抑制効果がさらに顕著になることがわかった。すなわち、出発原料の選択によって一次粒子径をある程度コントロールできることがわかった。 3.マクロポア構造の制御 エチレングリコールおよびポリエチレングリコールを増粘剤として用い、スピンコート用酸化スズゾルに添加することで、焼結過程における燃焼を利用する方法で高次構造の制御を試みた。その結果、エチレングリコールおよびポリエチレングリコールを添加したスピンコート溶液でも50nm〜80nm程度の膜厚で酸化スズ薄膜を作成できることがわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 酒井 剛, 松永直樹, 島ノ江憲剛, 山添 昇: "SnO_2薄膜センサの感度挙動に対する拡散方程式の適用"触媒. 43・2. 167-169 (2001)
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[Publications] Go Sakai, Naoki Matsunaga, Kengo Shimanoe, Noboru Yamazoe: "Gas sensing properties of tin oxide thin films fabricated from hydrothermally treated nanoparticles -Dependence of CO and H_2 response on film thickness-"Sensors and Actuators B.. 77. 116-121 (2001)
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[Publications] Go Sakai, Naoki Matsunaga, Kengo Shimanoe, Noboru Yamazoe: "Theory of gas-diffusion controlled sensitivity fr thin film semiconductor gas sensor"Sensors and Actuators B.. 80. 125-131 (2001)
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[Publications] 酒井 剛, 松永直樹, 島ノ江憲剛, 山添 昇: "拡散方程式に基づく薄膜型半導体ガスセンサの解析(1)定常感度挙動"Proceedings of the 32nd Chemical Sensor Symposium. 17・A. 1-3 (2001)
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[Publications] 松永直樹, 酒井 剛, 島ノ江憲剛, 山添 昇: "拡散方程式に基づく薄膜型半導体ガスセンサの解析(2)過渡応答挙動"Proceedings of the 32nd Chemical Sensor Symposium. 17・A. 4-6 (2001)