2002 Fiscal Year Annual Research Report
チタン酸バリウムが強誘電体である最小粒子の作製とその相転移温度の解明
Project/Area Number |
13450360
|
Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
井川 博行 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (30016612)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹本 稔 神奈川工科大学, 工学部, 助手 (70288215)
白神 達也 龍谷大学, 理工学部, 助手 (50257416)
|
Keywords | チタン酸バリウム / 強誘電体 / 相転移 / サイズ効果 / 強誘電体双晶 / 微粉子 |
Research Abstract |
下記の実験A、B、Cを平行して進めた。なお、実験B、Cでは基本的に次の測定を行った。(1)粉末X線回折図形のピーク分離によるチタン酸バリウムの正方晶と立方晶の判別の努力、(2)111と222の回折を用いての結晶子と歪の評価、(3)TEM観察 【実験A 410nmレーザー顕微鏡による相転移のその場観察】 単独粒子および焼成体の粒子の正方と立方の相の判別と正方-立方相転移の直接認知を目指した2種の観察を行った。その1は相転移に伴う自発分極の喪失が試料表面に付着させた「微細粒子の動き」として観測できることを狙った。正方晶BaTiO_3や石英の微粒子にての実験で、その動きを観測することにまだ成功していない。 その2では相転移温度にて強誘電体双晶構造が消失する筈であることに注目した。しかし、同構造を出現させた前処理の条件により、転移点にて双晶構造が急減あるいは急増するという複雑で矛盾する結果を得た。 【実験B 繰り返し静水圧印可した正方晶BaTiO_3粉末のキャラクタリゼーション】 昨年、ΔH_<trans>が1GPaでの1回の加圧により元の6.7%までに急減すると報告した。繰り返し加圧により結晶子は減少し、歪は増加するが、60回の後でも正方晶のみと判定しても基本的に正しいと判明した。同試料の高分解能構造像より格子の乱れを明らかにした。 【実験C 水熱合成BaTiO_3を用いた立方晶相作製の試み】 昨年、境化学工業製BT-01につき実験したが、水熱合成時から従来注目されなかった正方晶が存在するため、立方晶の作製を断念せざるを得ないと判明した。そこで、BT-01より粒子径が60nmとさらに小さいBT-006に注目した。しかし、高温粉末X線回折によりBT-006にも正方晶が生成していると明らかになった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Hiroyuki IKAWA: "Pressure Induced Mosaic Structure of Barium Titanate and Its Heat Capacity"Ferroelectrics. 269. 225-230 (2002)
-
[Publications] Hiroyuki IKAWA: "Ferroelectric Phase Transformation and Density of Heated Hydrothermal Barium Titanate"Transactions of the Materials Research Society of Japan. 27・4. 707-710 (2002)
-
[Publications] Hiroyuki IKAWA: "Characterization of Heavily Pressed Barium Titanate Powder"Transactions of the Materials Research Society of Japan. (2003)
-
[Publications] Hiromi NAKANO: "A BaCO_3 Phase on the Surface of BaTiO_3 Particles and in situ TEM Observation of its Decomposition"Journal of the American Ceramic Society. 86. 741-743 (2003)