2003 Fiscal Year Annual Research Report
チアカリックスアレーン誘導体への非古典的芳香族求核置換反応の適用と機能材料の創製
Project/Area Number |
13450361
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
壹岐 伸彦 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教授 (50282108)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 徹太郎 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教授 (70241536)
|
Keywords | チアカリックスアレーン / カリックスアレーン / 芳香族求核置換反応 / 機能性材料 / 結晶構造 / 包接 / 配座挙動 / 金属錯体 |
Research Abstract |
チアカリックス[4]アレーン(TCA)の架橋硫黄酸化誘導体に対してキレーション制御芳香族求核置換(S_NAr)反応を適用してTCAの水酸基をアミノ基で置換したアミノチアカリックス[4]アレーン類を創製し,その機能を評価することを目的として研究を行い,以下の成果を得た。 1.トリアミノチアカリックス[4]アレーンの合成 昨年までの研究で得られたキレーション制御S_NAr反応の位置選択性に関する知見をもとに,架橋基にスルフィニル基とスルホニル基を併せもつ誘導体を合成し,リチウムベンジルアミドとの反応によるトリアミノチアカリックス[4]アレーンの合成を検討した。その結果,スルフィニル基への求核反応が並発し,低収率であったが目的のトリ置換生成物を得ることができた。 2.1,2-ジアミノチアカリックス[4]アレーンのPd(II)錯体の合成とX-線結晶構造解析 1,2-ジアミノ誘導体(L)に[PdCl_2(MeCN)_2]を反応させると架橋硫黄とソフトなアミノ基がPdに配位したPdCl_2L錯体が得られた。Cu(II)との反応では,架橋硫黄と主にハードな水酸基が配位した錯体が得られることから,1,2-ジアミノ誘導体は,金属イオンのソフト-ハード性に応じて配位サイトを変化させ,柔軟に錯体を形成することがわかった。 3.アミノ基の官能基変換 これまでに合成したアミノカリックス[4]アレーン類のアミノ基を他の官能基へ変換することを検討した。その結果,テトラ(N-エトキシカルボニルメチル)誘導体やビス(サリチリデンアミノ)誘導体が合成できたほか,ジアゾニウム塩を経てアミノ基をヨウ素に変換した誘導体も合成することができた。
|
-
[Publications] T.Hattori: "Synthesis, Resolution, and Absolute Stereochemistry of (-)-Blestriarene C"J.Org.Chem.. 68・6. 2099-2108 (2003)
-
[Publications] N.Morohashi: "Synthesis of All Stereoisomers of Sulfinylcalix[4]arenes"J.Org.Chem.. 68・6. 2324-2333 (2003)
-
[Publications] F.Narumi: "Synthesis and optical resolution of an anti-O, O'dialkylated calix[4]arene"Chem.Lett.. 32・4. 320-321 (2003)
-
[Publications] V.Bhalla: "Interconversion between syn and anti conformations of 1,3-bis(O-cyanomethyl)-p-tert-butylthiacalix[4]arene"Chem.Lett.. 33・2. 184-185 (2004)