2001 Fiscal Year Annual Research Report
イオニクス素子を志向した人工イオンチャネルの合成と機能評価
Project/Area Number |
13450372
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
小夫家 芳明 奈良先端科学技術大学院大学, 物質科学創成研究科, 教授 (80026195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 和也 奈良先端科学技術大学院大学, 物質科学創成研究科, 助手 (50335486)
佐竹 彰治 奈良先端科学技術大学院大学, 物質科学創成研究科, 助手 (00277831)
釘宮 愼一 奈良先端科学技術大学院大学, 物質科学創成研究科, 助教授 (60183795)
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Keywords | イオンチャンネル / 分子デバイス / 環状レゾルシン4量体 / コール酸誘導体 |
Research Abstract |
二分子膜貫通型構造をとる安定な人工イオンチャネルの合成に成功した。初めに合成した分子は、2つのコール酸誘導体をキシリレンで連結した分子であり、末端にそれぞれカルボン酸基を有する1とアンモニウム基を有する2である。これらのイオンチャネル分子は脂質2分子膜中で自己集合し、安定なイオンチャンネルを形成した。1と2のカリウム/塩素イオン選択性を調べたところそれぞれ17、7.9となりカリウムイオンが選択的に流れる事がわかった。また、カリウム/ナトリウム選択性ではそれぞれ3.1、3.2となりやはりカリウムイオンを選択的に流す事がわかった。 またこの分子をさらに発展させ、整流性を有する2種類の安定な2分子膜貫通型人工イオンチャネルの合成にも成功した。合成した分子は、2種類の異なるコール酸誘導体をキシリレンで連結した分子であり、末端にアルコール基とカルボン酸基を有する3とカルボン酸基とリン酸基を有する4である。末端親水基に異なる電荷を付与することで、膜中で非対称構造を形成し、イオンチャネル特性に電位依存性が生ずることがわかった。合成した3と4を電場をかけながら,平面脂質二分子膜に導入し,シングルイオンチャネルを観測した。Cis/Trans500mM KCl, pH7.2,条件下で、+150mVから-150mVの範囲で電位をかけ、その時の流れる電流を解析したところ,イオンチャネル3や4では電流-電圧の関係が直線的ではなくカーブする事がわかった。この事は本チャネルが整流性を有している事を示している。対称型のチャネル1と2では整流性は全く観測されなかった。また、チャネル化合物を導入する際にかける電場の方向を逆転させると整流性の方向も逆転する事がわかった。この事は膜への導入時の電場によって分子の配向を制御できる事を示している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Chigusa Goto: "Artificial Ion Channels Showing Rectified Current Behavior"J.Am.Chem.soc.. 123. 12152-12159 (2001)
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[Publications] Yoshiaki Kobuke: "Transmembrane Ion Channels Conducted of Cholic Acid Derivatives"J.Org.Chem.. 66. 5094-5101 (2001)