2001 Fiscal Year Annual Research Report
機能団のクラスター形成と新規機能発現のためのL-リシンデンドリマーの半球合成
Project/Area Number |
13450380
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
西野 憲和 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (40145165)
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Keywords | デンドリマー / ポルフィリン / エネルギー移動 / 電子移動 / メチルビオロゲン / L-リシン |
Research Abstract |
紅色光合成細菌をモデルとして、デンドリテイックポリ(L-リシン)(DPK)の半球に16個のフリーベースポルフィリン(Por(H_2))を導入し、もう一方の半球に16個のZn(II)ポルフィリン(Por(Zn))を導入したところ、Por(Zn)からPor(H_2)へのエネルギー移動が観測され、エネルギー移動効率は43%であった。そこでポルフィリン環同士の距離とエネルギー移動効率の関係などについて詳細に調べる為、1枝上にPor(H_2)とPor(Zn)を1対結合した分枝を16枝有するもの(花束型)、8個のPor(H_2)と16個のPor(Zn)とを2層に重ねたもの(2層型(1))、及びPor(H_2)とPor(Zn)を1対1でランダムに導入したもの(混合型)を合成した。それぞれのDPKのエネルギー移動効率は82%、85%、79%であった。これらの結果からPor(H_2)とPor(Zn)の距離が近接し、エネルギーを受け取るPor(H_2)の数が多ければ、エネルギー移動効率は上昇すると考え、DPKの内部にPor(Zn)を8個、表面にPor(H_2)を16個導入したDPKを合成した(2層型(2))。このDPKのエネルギー移動効率は90%であり、2種類のポルフィリン間の距離とその数がエネルギー移動効率に密接に関係していることがわかった。 このDPKをエネルギー移動システムから電子移動システムに拡張する為に、半球に8個のPor(Zn)を導入し、もう一方の半球に8個のメチルビオロゲンを導入したDPKを合成した。このデンドリマーの蛍光スペクトルを測定すると、Por(Zn)の蛍光(611nm)の消光率は85%であり、デンドリマーに結合していない系に比べて6倍も高効率であった。またこのデンドリマーに連続的に可視光を照射すると、溶液の色は紫色から青色に変わり、メチルビオロゲンに電子が移動していることが認められた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] L.A.Watanabe: "An Attempt to Build Electron Transfer System in Dendritic Poly(L-Lysine)"PEPTIDE SCIENCE 2001. 2001. 409-410 (2002)
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[Publications] L.A.Watanabe: "Energy and electron transfer systems built in dendritic poly(L-lysine)s"Peptides. 2001(In the press). (2002)