2003 Fiscal Year Annual Research Report
双対スリップリンク模型による高分子レオロジー予測システムの構築
Project/Area Number |
13450390
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
土井 正男 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70087104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川勝 年洋 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20214596)
増渕 雄一 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40291281)
瀧本 淳一 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50261714)
谷口 貴志 山形大学, 工学部, 助教授 (60293669)
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Keywords | レプテーション理論 / 高分子の粘弾性 / 高分子の自己拡散 / 高分子ブラシ |
Research Abstract |
分子量分布のある高分子溶融体のレオロジーを予測する新しいモデルを提案し、計算機シミュレーションプログラムの形で実装し、一般に公開した。基礎となっているモデルを双対スリップリンク模型と名づけた。双対スリップリンク模型は、古典的なレプテーション理論におけるスリップリンク模型の発展形である。この模型では、絡み合いを二つの鎖間の局在した相互作用とみなし、二つの鎖を束縛するスリップリンクで表す。古典的なレプテーション理論と異なるのはスリップリンクが二つの鎖を束縛していると考える点である。このように考えることによって、古典論で問題になっていたスリップリンクの運動についてのあいまいさを排除することができる。 双対スリップリンク模型には二つのヴァージョンがある。第一のヴァージョンでは、双対スリップリンクの位置は物質に固定されているとし、スリップリンクの生成と消滅の過程にだけ鎖の相互作用を考えるものである。このモデルは、古典的なレプテーション理論の一般化になっているが、分子量分布のある系の線形・非線形の粘弾性や分子の自己拡散定数をパラメータなしでよく再現することができる。このモデルに基づくプログラムPASTAを作り、http://octa.jpより一般に公開した。 もうひとつのヴァージョンでは、スリップリンクの位置も、鎖の相互作用によって決めるものである。鎖の間の相互作用は、スリップリンクの生成・消滅の過程と位置の変化を通して考慮されている。このモデルでは、絡み合いの3次元的な構造も考慮したものであり、多様な展開が期待される。このモデルも上記のモデルと同様の精度の予測を行うことができることを確認した。このモデルに基づくプログラムNaplesを作成し、その試用版を上記URLより公開した。 また、レプテーション理論と平均場理論を組み合わせる新しいモデルを考案し、高分子ブラシのずり変形における構造変化と粘弾性を予測した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 増渕雄一: "高分子からみあい系分子ダイナミクス高速計算手法NAPLES"CICSJ Bulletin. 20(No.17). 88-89 (2003)
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[Publications] Hisahiro Ito, Masao Doi, Takeharu Isaki, Masaaki Takeo: "A Model of Neck-in Phenomena in Film Casting Process"J.Soc.Rheol.Jpn. 31. 157-163 (2003)
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[Publications] Hisahiro Ito, Masao Doi, Takeharu Isaki, Masaaki Takeo, Kazuo Yagi: "2DFlow Analysis of Film Casting Process"J.Soc.Rheol.Jpn. 31. 149-155 (2003)
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[Publications] Masao Doi, Jun-ichi Takimoto: "Molecular modeling of entanglement"Phil.Trans.Roy Soc Lond A. 361. 641-652 (2003)
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[Publications] T.Shima, H.Kuni, Y.Okabe, M.Doi, X-F.Yuan, T.Kawakatsu: "Self-consistent field theory of viscoelastic behaviour of inhomogeneous dense polymer systems"Macromolecules. 36(No.24). 9199-9240 (2003)
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[Publications] Y.Masubuchi, G.Ianniruberto, F.Greco, G.Marrucci: "Entanglement molecular weight and frequency response of sliplink networks"J.Chem.Phys. 119. 6925-6930 (2003)
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[Publications] Y.Masubuchi, M.Doi, G.Ianniruberto, F.Greco, G.Marrucci: "Primitive Chain Network Simulation of Entangled Polymers under Large Deformations"Advanced Polymer Processing, Iwakura Ed., Yonezawa. 30-35 (2003)